【食の力】みそ汁を味わう<4>だし、具材 工夫で簡単

いりこや昆布なら、水だしでもOK。

受講生のみそ汁率8割は嬉しい。

2015年12月04日 13時41分

 学生が食事でみそ汁を取る「みそ汁率」は13%−。「10回の食事のうち、ほぼ1回しか食べないということ。大いに問題ですね」。九州大(福岡市)の選択科目「自炊塾」を指導しながら自炊とみそ汁の大切さを教えている比良松道一准教授(農学)は嘆いた。

 調査は2013年度前期の受講生30人を対象に、2回目の講義から7〜9日間の食事について聞いた。24人が1人暮らし、残り6人は実家通いだった。

 1人暮らしのみそ汁率11%に対して、実家通いは21%。3人に1人は全く食べていなかった。自炊はしてもご飯とおかずだけというパターンが多く、丼物、焼きめし、パスタなど一品料理も目立つ。

 1人暮らしの自炊率は58%。その他はコンビニ率5%、学食率8%、学食を除いた外食率14%だった。

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 「僕のみそ汁率は80%ぐらい」。受講生の工学部1年、松浦浩巳さん(19)は自己分析した。

 松浦さんが受講を思い立ったのは、入学後の不摂生がきっかけだった。昼食は学食だったが、午後10時までの部活など忙しさにかまけて晩ご飯は毎晩、大好物のマシュマロで済ませた。ヨーグルト味、チョコレート味などと変えれば飽きない。約1カ月半後、体中にじんましんが出た。1週間ほど症状は続き、飲用薬のため眠気に襲われ、授業も受けられない。「一体何が体に起きたのか」と不安に襲われ、食の大切さを思い知らされた。

 みそ汁作りの宿題が出た後は、自炊のときはみそ汁をほぼ付けるようになった。冷蔵庫の余った野菜を切り、チャック付きポリ袋に入れて冷凍しておく。だしの授業まで、だしを取ったことはなかったし「手間がかかっていやだなあ」と思っていた。授業で習ったのは水差しに昆布、いりこそれぞれを入れて冷蔵庫に1晩入れておくだけの水出し。簡単さに驚いた。

 現在は、3日分ほどをまとめて水出ししてポットに入れている。必要な分だけ温めて、具材とかつお節、みそを入れたおわんに注いで食べる。手間も掛からない。それでいて「炊きたてのご飯と、自分で取っただし入りの温かいみそ汁は、腹に染みるなあって感じです」。

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 「みそ汁には豚肉とニンジンと玉ネギを入れて豚汁風にした。だしはいりこ。なかなか味は出ない。奥が深いです」。みそ汁作りの宿題が出た日の夜、農学部1年の畑中孝太さん(19)はインターネットの交流サイトに、そう記した。

 畑中さんは入学後に自炊を始め、多彩なメニューに挑んでいる。揚げだし豆腐、ピーマンの肉詰め、ブロック肉を材料にした焼き豚などのほか、「衝動買いした」サツマイモのクリームを作るなどレパートリーは幅広い。みそ汁は「ワカメが切れてしまい、シメジを入れただけ。大きめのいりこをだし兼具材として使った」こともある。お気に入りの具材は「安くて煮るとおいしい」大根とカブという。

 冷蔵庫の豆腐を腐らせたことがある経済学部1年、萩原孝さん(19)も試行錯誤を重ねる。「みそ汁にはサツマイモを入れて、秋らしさをプラスできた。(器が)コップなのは気にしないでください(汗)」「キャベツ、玉ネギ、豆腐、サツマイモ、油揚げと具材をてんこ盛りにし過ぎた気がします」。書き込みには楽しんでいる様子がにじむ。

 寒さも深まりつつある。だしと具材と工夫で滋養の溶け込んだみそ汁が、学生の心と体を温める。

 ▼みそ汁と新聞カフェ 「朝の習慣」再構築キャンペーンの一環。7〜25日の平日(14日を除く)午前7〜8時半、福岡市・天神のエルガーラビル1階に開設します。日替わりみそ汁とおにぎり、朝刊1部のセットを500円(税込み)で販売。持ち帰りも可。問い合わせは本社販売局企画開発部=092(711)5430。


=2015/12/04付 西日本新聞朝刊=

http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/211028

シンポジウム『ひろがれ!ふくおか弁当の日!!』

「弁当の日」


9年前に出会ったこのステキな取り組みは、私の人生を大きく変えました。


その奇跡と感動と希望を共有しましょう。

シンポジウム『ひろがれ!ふくおか弁当の日!!』

子どもが作る「弁当の日」。
そんな取り組みが福岡県で着実に広がっています。
自分で作ることで、食材を作ってくれる農家さん、
いつも料理を作ってくれる人に感謝できるようになります。
「弁当の日」が子ども達を、生活を、地域を、
日本の食を、日本の農業をかえていくかもしれません。
たかが「弁当の日」。
されど「弁当の日」。
とても楽しい「弁当の日」。
豪華講師陣による一大シンポジウムです。

日時:2015年12月20日(日)10:00〜16:20
場所:福岡大学(〒814-0180 福岡県福岡市城南区七隈8-19-1)

会場:基調講演・全体会:201教室
   分科会1・4:201教室
   分科会2・5:202教室
   分科会3・6:203教室

プログラム:
  基調講演
  10:00〜10:45 佐藤弘「なぜ、弁当の日なのか?」
  10:40〜11:30 内田美智子「食卓から始まる生教育」
  11:30〜13:00 昼食休憩 実践「弁当の日」
  13:00〜14:00 分科会セッション1
   分科会1 「学校と弁当の日」(稲益義宏)
   分科会2 「大学生と弁当の日」(比良松道一×太宰潮)
   分科会3 「家庭とくらしと弁当の日」(佐藤剛史×内田美智子)
  14:10〜15:10 分科会セッション2
  分科会4 「健康教育と弁当の日」(佐藤弘×養護教諭
  分科会5 「地域と弁当の日」(森千鶴子×比良松道一)
  分科会6 「子どもの学力と弁当の日」(佐藤剛史×稲益義宏)
  15:20〜16:20 全体会
  16:20 終了

※昼食休憩「実践弁当の日」は一品持ち寄り形式です。
 参加される方は、自分のためのご飯と
 みんなのためのおかず1品を持参ください。

参加費:無料

定員:450名

申し込み方法:<方法1>
     FBのイベントページの「参加」ボタンを押す。
        <方法2>
     メール:fukuoka.bentounohi@gmail.com 
         もしくはFAX:092-643-3573
         まで、?名前、?所属、?メールアドレス
         を書いて送信して下さい。

主催:福岡県、福岡県教育委員会、「弁当の日」推進福岡県会議
後援:福岡市教育委員会、福岡県PTA連合会、福岡市PTA協議会

<お問い合わせ先>
福岡県農林水産部食の安全・地産地消
TEL:092-643-3575
FAX:092-643-3573


https://www.facebook.com/events/742719442499841/


【食の力】みそ汁を味わう<3>腸内環境改善に一助

食で人生が変わる人はたくさんいる。

そう信じて「自炊塾」を続けてきました。

受講してくれた女子学生の肌が、以前とは見違えるように良くなったのを目の当たりにしたときは、ほんとうに嬉しかったです。

 テーブルに並ぶのはナスのごまみそ炒め、カブの酢の物、切り干し大根のサラダ…。学生たちが1品ずつ持ち寄ったおかずだ。毎週水曜の正午から九州大(福岡市)のドミトリー(相部屋の寮)にある多目的室で開かれる「弁当の日」。この日は選択科目「自炊塾」の学生を中心に十数人が集まった。

 ホウレンソウの梅あえを持参した女子学生(18)は前期の受講生だった。「だいぶ調子がいいみたいですね」。指導教官の比良松道一准教授が語り掛ける。悩んでいたアレルギー性皮膚炎の症状は、見た目にほとんど分からないほど治まっていた。

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 女子学生は、自炊のこつを知りたくて自炊塾を受講した。宿題のみそ汁作りを始めて自然と和食中心のメニューに変わった。みそ汁は週3回、夕食と翌朝の分を一緒に作る。まず便通が良くなってきたのを自覚した。

 以前は、アレルギー体質のため肌はボロボロだった。体温を上げて免疫力を上げたい、肌をきれいにしたいと悩んでいた。

 ある日、こうじをテーマにした授業があった。外部講師のこうじ料理研究家、橋本恵子さん(46)は塩こうじと甘酒の作り方を教え「免疫細胞の約70%が存在するという腸の環境が整えば免疫力が上がる」と伝えた。

 女子学生は「とても衝撃だった」という授業の感想をこう記した。「こうじは肉を軟らかくしたり、食材を長持ちさせたり、おいしくしたり、たくさんの働きをしてくれて素晴らしい。こうじ、塩こうじ、甘酒を使った料理をたくさん作っていきたいです。私はアレルギーもあるし、体温も35度台なので、今日の講義は私の悩みにぴったりでした♪ こうじ料理に期待したいです♪」

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 みそをはじめ発酵食品に欠かせないこうじ。日本人が昔から大切に受け継いできた。腸内環境は健康にとって重要として近年、注目されている。その腸内環境に、みそ汁はどう影響するのか。比良松准教授は2013年度の自炊塾の受講生を対象に腸年齢の変化を調査した。

 受講生には、無添加などできるだけ良いみそ、天然だし、旬の食材を使ったみそ汁を3週間、毎日取るように心掛けてもらい、その前後に腸年齢をチェックした。問診表は、色や形、頻度など便に関する8項目のほか、発酵食品を食べるかといった食生活についての質問など計18項目に回答し、腸年齢を推測する。順天堂大医学部の小林弘幸教授のチェック方式を参考にした。

 それによると、受講生29人の腸年齢は平均4・7歳若くなった。約72%に当たる21人が改善し、うち17歳を最高に、5人が10歳以上若くなった。

 女子学生は7月ごろ、肌の乾燥が和らぎ、赤みも取れてきたのが分かった。こうじの授業の4日後、インターネットの交流サイトにこう記した。「塩こうじを作りました♪ 手にひび割れがあったので混ぜるとき痛かったけど、塩こうじを作り終わると手がすべすべになっていたのでうれしいです♪」

 日常にこうじを取り入れようと甘酒も作る。飲み始めて1週間ほどで効果を実感した。現在、平熱は36度台、症状も落ち着いている。

 みそ汁作りはもちろん継続中。先日はシメジ、カボチャ、タマネギ、体を温めたくてショウガも入れてみた。

 自炊している他の学生を見ると自分も頑張れる。だから「弁当の日」に、また参加しようと思う。

 ▼みそ汁と新聞カフェ 「朝の習慣」再構築キャンペーンの一環。7〜25日の平日(14日を除く)午前7〜8時半、福岡市・天神のエルガーラビル1階に開設します。日替わりみそ汁とおにぎり、朝刊1部のセットを500円(税込み)で販売。持ち帰りも可。問い合わせは本社販売局企画開発部=092(711)5430。

=2015/12/03付 西日本新聞朝刊=

http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/210837

【食の力】みそ汁を味わう<2>だしは「命のスープ」

だしのテイスティングに集中する自炊塾の学生たち

 湯飲みに入った一つ目のだしを静かに口に含んだ。「グッとくる味。あっさりしてのどに通る」。二つ目。「磯の香りが広がる。めっちゃ強い」

 食を通して健康や環境について考える九州大(福岡市)の選択科目「自炊塾」。この日はみそ汁の味を決める、和食の基本「だし」がテーマだ。農学部1年、片岡冴望(さえみ)さん(19)が三つ目のテイスティングに臨んだ。「塩辛い感じ。複雑な味はする」

 三つのだしの正体は昆布、いりこ、顆粒(かりゅう)だし。学生ら10人のうち、6人が顆粒だしを最も好きな味に挙げた。2013年の講義でも、30人のうち63%に当たる19人が同様に回答、ほぼ同じ割合を示した。

 片岡さんが選んだのは、いりこ。「味も香りも知っていて安心した」。魚をよく食べていたから、というのがその理由だった。

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 体験したことがある味を好むのには理由がある。

 生理学的な観点から食品を研究している龍谷大の伏木亨教授は、かつお節の風味を離乳期など早い時期に経験したマウスが、成長後もその風味を好むことを実験で明らかにした。「言葉と味わいが結びつく時期と、それに先だって特定の風味に慣れさせることは、ともに嗜好(しこう)形成に重要」と結論づける。

 おいしさは、アミノ酸などの成分を本能が求めた結果、脳が用意したもの。さらに脳内の神経伝達物質ドーパミンによって「もっと食べたい」という感覚が起きる。「おいしい」という快感と「もっと食べたい」という欲求で病みつきになるという。

 もう一つの理由は香り。伏木教授によると、かつお節と同じうま味を構成するアミノ酸核酸、塩類の混合溶液を与えても、マウスは病みつきになることはなかったという。だしのおいしさを記憶にとどめるには、うま味に加え、天然の風味や香りが重要だということが分かる。

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 「だしって何でしょうか」。塾を指導する比良松道一准教授(農学)が学生に問い掛けた。モンゴルで食べた羊の内臓を煮込んだスープについて紹介しつつ「食材を無駄にすることなく全てをいただくことが食べることの原点」と指摘。液体にすることで栄養を丸ごと体に吸収できると語った上で、こう強調した。

 「だしは命のスープ。日々の食事はコストも重要ですが、私たちが本来食べるべき物は何かを考えてほしい」

 学生は授業後、インターネットの交流サイトに感想を上げる。「だしを味見してみて、自分の味覚のもろさを知った」と経済学部1年、萩原孝さん(19)。好きなだしに顆粒だしを挙げたが「香りはしませんでした」と書き込んだ。うま味を強調する成分を原料とする顆粒だしは、半数を超える学生にとって慣れたおいしさだった。ただ「科学的に調合するのが困難といわれるほど複雑」(比良松准教授)な自然の香りは再現できない。「深淵(しんえん)なだしの世界を味わい続け、次世代への遺産として受け継いでほしい」と比良松准教授はメッセージを送った。

 サークル活動やアルバイトにも忙しい片岡さんは、みそ汁など和食を思うように作る時間がない。「生活を変えるって難しい」と実感する。それでもだしを取る理由を、こう記している。

 「健康のこと、自然の恵みのこと、命のこと、考えてみればおのずと答えは見えてくる。『人間が本来食べるべきもの』を考えていける人になっていきたいなあ」。大きな一歩に違いない。

 ▼みそ汁と新聞カフェ 「朝の習慣」再構築キャンペーンの一環。7〜25日の平日(14日を除く)午前7時〜8時半、福岡市・天神のエルガーラビル1階に開設します。日替わりみそ汁とおにぎり、朝刊1部のセットを500円(税込み)で販売。持ち帰りも可。問い合わせは本社販売局企画開発部=092(711)5430。


=2015/12/02付 西日本新聞朝刊=

http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/210592

【食の力】みそ汁を味わう<1>脳を刺激 心身安らぐ

 「あっという間になくなったよ。毎日作るようになってすぐだった」。古里の熊本市を離れる前、母親と一緒に買ったみそ。九州大(福岡市)の選択科目「自炊塾」の受講生、中川理香子さん(19)=理学部1年=はみそ汁の話題で隣の学生と盛り上がった。

 入学して半年、みそを使ったのはスープに入れた大さじ2杯だけだった。10月中旬、自炊塾でみそ汁作りの宿題が出て以来、ほぼ毎日使うようになった。

 自炊塾は食を通じて健康や環境について考える力を養う少人数セミナー。シェフや農家ら外部講師の講義、調理や農業実習もある。インターネットの交流サイト、フェイスブック(FB)に挙げる自炊の回数が評価の点数になるのも特徴だ。

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 中川さんが自炊塾を後期科目の一つに選んだのは、生活に役立ちそうだったからだ。友人は「料理を作って単位がもらえるし楽しいよ」と勧めてくれた。

 それまでは学食など外食ばっかり。もともと菓子作りは好きだったが、料理は「包丁もうまく使えず、ままごとのようだった」。

 みそは入学前にそろえてもらった調味料の一つ。でも「いらないなあ」と思った。みそ汁は嫌いだし「腐ったらポイするしかないか」と受け取った。「飽きていたんだと思う。どこに行ってもみそ汁だったから」

 宿題が出たのは3回目の授業だった。最初のみそ汁には大好きなカボチャ、それにタマネギ、エノキタケを入れた。久しぶりに味わうみそ汁。「温かくておいしいなあ」としみじみ感じた。

 FBに自炊の証明となる写真を挙げる。「おいしそう」という受講生仲間の反応もうれしくて、回数が増えた。必ず添えるみそ汁には、買いだめた野菜やキノコを冷蔵庫から取り出し、少しずつ切って鍋に「ポイポイッと入れる」。熊本名産の南関揚げは欠かせない。普通の揚げ豆腐より汁を吸って「ジュワーとおいしくなる」。実家では煮物などに必ず入る母の味だ。

 だしは熊本から持ってきただしパック、気合を入れて作るときは授業で習った昆布とかつお節を使う。「(水やお湯に入れて)ほっとくだけなんだけどおいしい」。みそを溶く。風味が立ち上がる。口に入れたときのじわっと染みわたる感覚が好きだ。何より「ほっとする時間が増えた」。

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 そんな心地よさはどこから来るのだろう。「好ましい味がするのは、本能が積極的に食べなさいと指示しているから」。食品・栄養学が専門の伏木亨龍谷大教授はこう表現する。昆布やみそのアミノ酸が豊富なみそ汁は、脳内の快感物質〓(〓はベータ)(ベータ)エンドルフィンの分泌を刺激する。これが満足感や安らぎにつながる。本能にくすぐられて心も体も和むという。

 きょうも冷蔵庫を開けてみる。使い切れずに残っていたブロッコリー。「使ってあげないとかわいそう」と入れたら彩りがよくなった。ちょっと頑張ったなと思える日は、具材を増やす。みそ汁は「プチぜいたく」を楽しめるふだん料理。シイタケのかさに飾り切りをしたりもする。そんな工夫も楽しい。

    ◇    ◇

 日々の糧であり、命の源となる食。新シリーズ「食の力」は、そのさまざまな力を切り取ります。第1弾は「自炊塾」を舞台に、最も身近なメニューとして暮らしに溶け込む「みそ汁」を味わいます。

 ▼みそ汁と新聞カフェ 「朝の習慣」再構築キャンペーンの一環。7〜25日の平日(14日を除く)午前7時〜8時半、福岡市・天神のエルガーラビル1階に開設します。日替わりみそ汁とおにぎり、朝刊1部のセットを500円(税込み)で販売。持ち帰りも可。問い合わせは本社販売局企画開発部=092(711)5430。


=2015/12/01付 西日本新聞朝刊=

http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/210381

豊後大野市食育講演会


本日は豊後大野で講演。


マダム美智子せんせい、竹下和男せんせい、松木喜美子せんせい、吉田俊道さん、しばっち。これまでに錚々たるメンバーがこの地に何度も足を運んでいる。


その結果、市内の全中学校といくつかの小学校が「弁当の日」に取り組み、菌ちゃん野菜の栽培に取り組んでいる保育園もある。


私の役割は?


こういう時は、送りバントに徹するに限る。これまでの講師陣が塁上にためて下さったランナーを確実に進塁させる、できるだけ絶妙なバントを決めること以上に大切なことはない。


保育士、中学生とその母親、栄養教諭。わたしの前に登壇した皆さんの素晴らしい実践発表を聴きながら、講演の内容を組み立てた。テーマは、「どうすればバトンを受け継ぐことごできるのか」。保育園児とその両親、小中学生と祖父母、大学生と教員と話題を繋ぎながら、食を通して成長していく物語を展開した。


講演終了後に栄養教諭が「一緒に話を聴いていた、うちのお婆ちゃんが泣いてました」と伝えてくれた。中学生のお母さんは、たくさんの野菜を手土産に持たせてくれた。会場にいたご夫婦ほ、私の本じゃないのにサインを依頼をしてきた。講演後のそういう反応が、送りバントが成功した証しだと思った。


これで次に登場するバッターは気持ちよく打てるはず。肩の荷が下りて安堵したので、地元産豊後牛をお土産として買い込み、久しぶりのすき焼き料理の団欒を空想しながら帰路に着いた。


https://www.facebook.com/mich.katz1965/posts/926964960717674

大分〜佐賀〜熊本


先週末3連休のホールフードフェスタ in 佐伯の興奮覚めやらぬ今週は、
自炊塾の特別授業と2回の実習に加えて、朝倉、多久、熊本、豊後大野での講演と、息つく暇の無い怒涛の一週間。


昨日(金曜日)は、久々の大人向け講演。熊本の市民団体約90名に九大「自炊塾」の取り組みを中心にお話しさせていただいた。


一般に、大人は子どもに比べて講演後のリアクションが少ない。だから、最初に釘をさしておいた。


「私のお話を聴いて、今日で終わる人と今日から始まる人がいます。できれば後者がたくさん居てくれると嬉しいので、一生懸命、お話します。みなさんも一生懸命聴いて、もし何かひとつでも自分にできることがあったら、それを今日からはじめて頂ければ嬉しいです」


一生懸命語り過ぎて、つい持ち時間をオーバーしてしまったことを反省した。


今朝、講演を聴けなかった熊本在住の方からメールが届いた。

おはようございます。


知人から感想きました。


料理作りたい!という息子さんたちに、宿題が先!といいつづけてきた知人。


比良松先生の講演からの帰宅後、また子どもたちに言われ、今度から、料理させてみよう!と思ったそうです。


子育てする大人の気持ちが「今、子どもに、やらせてみよう」に、確実に変わっていく瞬間です。


沢山のよくある感想のひとつかもしれませんが、


その家庭と、将来の形が、大きくかわるきっかけとなります。


ものすごい人助け、救いなんだと思います。


熊本講演、本当に、ありがとうございました。


聴衆を選ばず、目の前に居る人に対して常に魂を込めて話をすれば必ず伝わる。そんなふうに励まされた気がした。


今晩は、明日の豊後大野での講演を控え、市内の古民家に投宿中。明日も一球入魂でお話させていただきます。


https://www.facebook.com/mich.katz1965/posts/926602630753907