Lamium amplexicaule _ Campus Plants
ホトケノザ / 仏の座
Labiatae / シソ科
decorated by massun, photo by mich.katz
もうおなじみですね.
紅紫色の細長い筒状の花をつけます.高さ10〜30cmの2年草.
葉が2枚向き合って接している様子が,蓮台(仏の座)に似ていることから,ホトケノザという名前が付きました.
ホトケノザをよく見てみると,2種類の花があることに気が付きます.中でも,少し小さい花は,「閉鎖花」と呼ばれるもの.閉鎖花とは,つぼみのまま結実する花のことです.ホトケノザの花の多くは,この閉鎖花です.
自家受精を行うホトケノザは,閉鎖花であっても,どんどん種子をつけていきます.ホトケノザの下方の葉をご覧ください.かつて,花が咲いていた場所に見られるのは,小さな小さな4つの果実.ホトケノザの子房は,縦に4つに裂けているために,1つの花あたり4つの分果が作られます.その大きさは,約2mm.小さいですね!
さてさて,そんなホトケノザからの問題です.
『ホトケノザは,どのようにして種子を散布しているでしょう?
1)鳥に食べてもらう.
2)アリに運んでもらう.
3)風で飛んでいく. さぁ,ど〜れだ? 』
わかりましたか?『正解は,2)番です.』
彼らは,種子の散布をアリにお願いしています.http://boroboro.seesaa.net/article/3086362.html
ホトケノザの種子の表面には,「エライオゾーム」という白っぽい粒子が付着しています.エライオゾームは脂肪分を多く含んでおり,これがなんとアリの大好物.アリは,エライオゾームを求めて,ホトケノザの種子のある場所に集まってきます.
エライオソームが付着した種子を見つけたアリは,それを種子ごと巣に持ち帰ります.種子は巣まで運ばれた後,表面のエライオソームだけアリに食べられます.種子そのものは,アリにとっては不要な部分なので,最終的に巣の外に捨てられます.こうして,ホトケノザの種子は,アリによって様々な場所へと散布されるのです.
毎年,この時期になると,畑や道端でよく見られるホトケノザ.しかし,その種子散布戦略には,アリという全く異なる生物が関係していました.もしかすると,エライオゾームは,種を運んでもらったホトケノザからの,アリへの感謝のプレゼントなのかもしれませんね.
by massun & snow.