生活習慣病予防は学生時代から〜青学大、フィットネス施設/九大、授業「自炊塾」で単位(2015/12/21付日本経済新聞朝刊)

 生活習慣病に今のうちから備えて――。学生にそんな働きかけをする大学が増えている。運動施設を開いたり、病気について教える講座を設けるなど方法はさまざま。大学時代は親の管理下を離れることで食事や睡眠など生活全般が不規則になりがちで、生活習慣病の下地が生まれる時期。中高年からの病気と高をくくらず、健康的な生活で自己管理に努めたい。

(中略)

 食育の観点で生活習慣病を予防する取り組みも出てきた。

 九州大学(福岡市)は単位として認められる授業「自炊塾」を2年前に開講し、人気を集める。コンビニ弁当や外食に頼らず、自炊する能力を身に付けて自らの体調を管理することを目指す。栄養から食費、日本の食文化まで、食に関する様々な分野を実践的に学ぶ。

 担当の比良松道一准教授は大学生の食生活を研究する過程で「放っておけない」と感じ、この授業を始めた。料理研究家らの調理実演を重視。「レシピはネットにいくらでも載っているが、料理体験がないため作れない学生は多い。スポーツと同様、実際に実演する姿を見ることでイメージしてほしい」と説く。

 学生からも「受講を通じて自らの健康が劇的に変わった」などの声が寄せられる。「味噌汁を毎日手作りし、食べるようアドバイスをしたら、お通じや肌荒れが改善したという声もあった」(比良松准教授)

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO95322040Y5A211C1TCP000/