Vicia tetrasperma _ Campus Plants

カスマグサ / カス間草


Leguminosae / マメ科
decorated by massun, photo by mich.katz


今日は植物の形態に基づく「分類」に触れてみましょう.


研究室の圃場にはピーピーマメことカラスノエンドウ*1がたくさん生えています.でもよく見ると・・・


似ているけど,ちょっと形が違うのもあります.そこで,それらを摘んで持ち帰り,研究室の図鑑で調べてみました.


カラスノエンドウと同様な場所によく見られるソラマメ(Vicia)属には,スズメノエンドウカスマグサがあることが分かりました.


これら3種は,カラス,カスマ,スズメの順にサイズが小型化します.したがって,莢の中のエンドウ豆の数もこの順に10個くらい,3〜7個,2個と少なくなります*2.この他にも,小葉の数の違い,花と莢の付き方,花の色など明確な形態の違いがあります.


これら3種は,まるで,少しずつ顔や性格が違うけど,同じ家に住んでいる兄弟のようです.


もうひとつ,面白い事実が判明しました.それは名前のこと.


カラスノエンドウの名前の由来についてはすでに説明しました.スズメノエンドウの「スズメ(雀)」は「(カラスよりも)小さい,かわいらしい」という意味で用いられています.


そして,カスマグサの「カスマ」とは,「カス間」で,カラスとスズメの中間型と言う意味なのです.形だけでなく,名前も3種をセットにして覚えることができます.さしずめ,一郎,二郎,三郎と言ったところでしょうか.


きっとあなたのそばにもエンドウ豆3兄弟がいるはず.さあ,探しに出かけてみませんか?


by massun & mich.katz

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