Briza minor _ Campus Plants

ヒメコバンソウ/ 姫小判草


Gramineae / イネ科
decorated by massun & sono, photo by mich.katz


農学部の緑地の一角が,草蛙(わらじ)を小さくしたような穂をたくさんぶら下げた植物で覆われています.


その名もコバンソウ(写真上).ぶら下がる小穂が小判に似ているということです.


コバンソウの下に掲載した,小判のサイズが小さいのは,ヒメコバンソウ.「姫」とは,ヒサカキの記事(http://d.hatena.ne.jp/mich_katz/20060228)で紹介したように,「小さい」という意味です.


いずれの種とも,小判とは言っても金ピカの派手なイメージは感じられず,どちらかと言うと,さりげなくお洒落をして人目を引くといった感があります.ちなみに,コバンソウ花言葉は素朴な心.


もう10年以上前ですが,学会でイスラエルを訪れたときのこと.ユリやアネモネなど様々な観賞用植物を栽培する生産者の圃場を見学していると,コバンソウが作業場の花瓶にさり気なく生けてありました.ことのとき,私は,コバンソウがヨーロッパ原産であり,園芸植物としても利用されることを初めて知りました.


コバンソウが日本へ観賞用植物として導入されたのは明治時代だそうですから,ヨーロッパ産のこの素朴な植物は,約1世紀の間に日本の野原を席巻したことになります.見た目の素朴なイメージとは裏腹に,放っておけば爆発的に増殖する能力を秘めているようです.


素朴な美しさは魅力的ですが,日本固有の自然を侵すまでには広がって欲しくないと思います.


お金もありすぎると,あまり有難みがなくなってしまう,と言ったらよいのでしょうか.


by massun, sono & mich.katz