Magnolia grandiflora _ Campus Plants

タイサンボク / 泰山木  別名ハクレンボク(白蓮木)


Magnoliaceae / モクレン
presented by momi , photo by mich.katz


タイサンボクは明治の初頭に渡来した北アメリカ原産の常緑高木で、公園樹や庭木として広く利用されています。


学名のgrandifloraは大きな花という意味ですが、日本では梅雨の頃に15〜25cmの白い大きな花を咲かせます。今回採集してきた花も、確かに、大きなご飯茶碗くらいありました。


掲載写真では見えませんが、花の雄しべと雌しべの作りが他の分類群とずいぶん異なっています。花器中心部突起の先の方にあるかぎ状突起の集まりが雌機能を、その下部の魚の鱗状の集まりが雄機能を持ちます*1。また、花弁に当たる、内外の花皮片は形態的によく似ており、多くの植物に見られるような花弁とがく片に区別できません。こうした花器構造の特徴から、モクレン科は、裸子植物から被子植物が進化して来る過程に現れ、原始的な特徴を残した被子植物の系統であると考えられています。


さて皆さん、タイザンボクの木の下を通る時は、よく鼻を利かせてください。甘くすがすがしい香りがするはずです。香水マグノリアの元になったというこの香りは、昆虫をおびき寄せるために役立っているのでしょう。現在多くの植物が受粉を昆虫にゆだねていますが、モクレン科の植物は、昆虫との共生関係を最初に築いた植物とされています。


タイサンボクの花からは、香りだけでなく、現代でも色あせることのない太古のロマンも漂よってくるのかもしれませんね。


by momi