Eria reptans _ Campus Plants

オサラン / 筬蘭


Orchidaceae / ラン科
photo by mich.katz


「あそこにオサランが咲いてます.」


神業的な木登り術を有するFくんが,屋久島の森の中で大きな樹の上の方を見ながらそう言った.


「どこ?どこ?」


数センチの葉に1cm程度の花をつける小型のランゆえに,なかなかそのオサランが視界に入らない.Fくんの場合,木登り技だけでなく,着生植物に対するサーチ能力も“職人技”である.枝の位置を詳しく聞きながら,私はようやく点のように小さく見える花を捉えることができた.


“筬”とは機を織る際に,織物の縦糸の配列や密度を定め,垂直に通した横糸を打ち込む櫛状の機織り部品.オサランの偽鱗茎が櫛状に並ぶ様子が,その伝統工芸の道具に例えられ,この名がついたと言う.


先人は,この植物に伝統工芸の職人技を思い浮かべたのだろうか.

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