日の丸の呪縛 _ 第2話 _ 呪縛からの解放「フレーミング」

では,日の丸の呪縛を解くにはどうするか?

答えは二つ

1:日の丸旗の「マル」(すなわちモチーフ)を置いてしっくりいく中心以外の場所がないかを探すこと.
2:日の丸の「マル」以外の白地の部分(モチーフ以外の背景)の描き方を考える.

その一例,P2では,長方形を縦にして上からすこし見下ろすようにしてモチーフの葉をフレームの上方に納めた.P2
モチーフとする葉の邪魔にならない様に,背景の下方に植物体の他の葉を背景として配置するとともに,モチーフの葉を支える葉柄(葉の柄の部分)のすらっと伸びた様子を取り入れることを意識した.これにより,先ほどの写真P1とは違って,モチーフの葉が植物体の一部であることが伝わる.しかも背景が葉のグリーンとカーテンの薄いグリーンで統一されていて,モチーフを邪魔する要素がない.
もう一つの例,P3は,P2とは逆に下から見上げるようにして撮ったもの.モチーフの葉が左上の隅に配置されている.P3
背景の左下のテレビと左上の壁とカーテンの境がやや気になるが,条件の悪い室内で撮った写真としては,背景が,先ほどの写真P2同様,比較的整理されている.

これら2枚の写真では,フォーカスエリアでの焦点合わせに注意するだけでなく,背景の取り込み方を気にした結果,縦位置のフレームを選ぶこととなった.モチーフの配置とモチーフを取り巻く背景を工夫することにより,随分違った印象の絵になることを実感して頂けただろうか.(第3話へつづく)