九州大吟醸プロジェクトの近況

ここ2週間の週末は,九州大吟醸プロジェクトに関わるイベントが続いた.
先々週の日曜(6月5日)は環境創造舎のスタッフを中心とした10人余のメンバーに混じり,元岡地区の「でかた」に助っ人として参加した.元岡の集落付近の河川や農業用水路,ため池の除草や清掃活動に汗を流した.
浜地酒造の浜地さんより遅刻厳禁との命を受け,私は5時55分発のJR特急「ドリームにちりん」に乗り込んだ.文字通り「夢」見心地で途中電車を乗り継ぎ,7時過ぎに浜地酒造に到着.
車で場所を移動するほど広範囲の一斉美化作業には,作業慣れしているスタッフもさすがに疲れた様子だったが,作業後に振る舞われた焼き肉やお酒に皆大満足.時間が経つのも忘れ,地域の方々と心行くまでおしゃべりが続いた.「あんたたちが手伝ってくれたけん,いつもよりはよう仕事が片付いたとよ」と言われ,とても嬉しかった.
先週の日曜(6月12日)は,元岡に隣接する新キャンパス用地の竹伐採作業.この場所には,九州大吟醸の売り上げの一部を活用し,将来,ヤマツツジが咲き乱れる森を地域の人たちとの恊働で作る予定だ.
九大が用地を買収して以来辺り一面にはびこってしまったモウソウチク林に尻込みしつつも,かつてそこに雑木林があったことを教えてくれる目前のビワやヌルデを救出すべく,環境創造舎スタッフ7名は黙々と竹を切り続けた.
作業を終えたのは午後1時前.へとへとだった.しかし,今朝まで竹で覆われて暗かった場所がすっかり日の当たる更地に変わってしまった光景を目前にし,スタッフ一同はえも言われぬ達成感に浸っていた.
昼食をとるために浜地酒造まで向かう途中,先週一緒にでかた作業をした元岡地区の数名の方々から声をかけられた.「このまえはどうも」「今日は何事ね」「そりゃ,おつかれさん」等々.たった一度のお手伝いによって気軽に声をかけてもらえる関係を築けたことがとても嬉しい.
九州大吟醸の物語が,ゆっくりだが確実に進んでいることを実感した2週間だった.