蛍狩り

先週の土曜日のこと.前日までは予定はなく,久々のフリーデイ.と思ったら,朝一で喘息気味の長女を病院へ連れて行き,その後,緊急の学童保育関連の打合せ,大学院生との研究打合せ,と日常的スケジュールとなってしまった.
このまま週末を終わらせるのはもったいないと思い,家族で近所の農村へ蛍狩りに出かけた.日が暮れるまで少し時間があったので,まずは,代掻きが済んだばかりの水田の畦でカエル探しを.とても大きなヌマガエルや小さなヘビ(おそらくヒバカリの幼蛇)を見つけ,捕まえようと大騒ぎ.
そうこうしているうちに日が暮れ始めたので,場所を移動してホタル見物.日暮れ直後は少なかった点滅が次第に数を増していき,30分もすれば黄緑色の光の舞へと変わった.
せっかくだからと思い,近くにいた1匹を両手で包み込む様にして捕獲し,娘達や近くにいる子供達に「ほら,こんな色と形なんだよ」と懐中電灯で照らして見せてやった.子供達は皆興味深げに覗き込んでいた.
すると,別の場所で「私も見たい」子供からおねだりされた親から「絶対に捕ってはいけません!」と言う声が発せられた.その親にすれば,昔よりも少なくなってしまったホタルを,見物する皆が捕獲したらもっと少なくなるからという道義的心理が働いたのだろう.確かにその場所は,この近辺ではホタルが見れる場所として有名だが,乱舞しているとは言い難い量のホタルが飛び交っている程度だった.皆がホタルを捕獲することの悪影響が全くないとは言い切れないかもしれない.
「蛍狩り」とは,飛び交うホタルを生け捕りにし,手製の籠などに入れて観賞する遊びのこと.昔の様にたくさんのホタルが乱舞する環境が今も残されているなら,だれもが皆,思い思いに蛍狩りを楽しむことができるだろう.かつて我々が子供の頃に当たり前だったことが,今の子供達には当たり前でなくなって気の毒に思う.当たり前の自然や生き物が身近にいることの幸せを未来の子供達になんとか残してやりたい.