自宅から世界が見える

私の知人は,出張先の様子をblogに書き込んでくれる.そのおかげで,出張者が当地で取得した情報が刻々と入り,出張者が体感した当地の様子や雰囲気を擬似的に体感できる.
空飛ぶY教授の日記では,現在ウィーンで開かれている植物科学国際会議の内容が紹介されている.それによれば,アメリカのWendel博士によって,ここ数年の分子生物学的テクニックの進歩によって明らかになった植物倍数体に関する研究の成果がレビューされたという.自腹を切らずともこうした情報が頂けるのは美味しい話だ.
Wendel博士は,1980年代前半に遺伝マーカー(アロザイム)によるツバキ園芸品種の識別や日本のヤブツバキ集団の遺伝構造の解析を行っており,日本との繋がりがある.日本の園芸学の分野では,アロザイムを用いた研究がはやり始めたばかりで,博士の研究に影響を受けた研究者は多いと思う.当時私はまだ学生だったが,私が現在,植物の進化や生態に関する研究の道を選んだのには,博士の研究による影響も少なくない.
植物倍数体は,園芸作物でも重要な要素であり,最近の基礎研究の成果がこれから応用されるに違いない.Y先生のリンクを利用させてもらい,私も最近の成果を勉強する事にしよう.