Campus Plants _ Ligstrum japonicum

ネズミモチ / 鼠黐


Oleraceae / モクセイ科
decorated by koma, photo by mich.katz


関東以西の暖地に分布.
海岸付近の二次林に比較的多くみられます.


和名は,果実の形と色がネズミの糞に似ており,
枝葉がモチノキに似ていることに由来するようです.
なるほど〜・・・って,私,ネズミの糞など見たことありません!
(ゴキブリの糞なら実験室の引き出しによく転がっていますが・・・)
この実の姿から逆に想像するしかないですね.

最近,公園などの緑化樹としてネズミモチがよく栽培されています.
しかしその多くは,実は,中国から導入されたトウネズミモチ(Ligstrum lucidum)という種類であり,
日本在来のネズミモチとは別の種です.


ネズミモチの実は,ヒヨドリメジロなどの鳥類がついばむので,
鳥類を介した種子分散によるトウネズミモチ実生の野生化,
ひいては自然植生における種組成の変化や,
在来のネズミモチとの雑種形成(遺伝的かく乱)が懸念されています.


このため我が国では,
トウネズミモチは「外来生物法」の要注意生物に指定されました*1
トウネズミモチネズミモチを見分けるポイントは葉の厚さ.
厚さが異なるため葉を透かしたときの側脈の見え方が異なるそうです*2
あなたの周辺で見かけるネズミモチがどちらかを見分けてください.


外来の園芸作物の日本の自然環境に対する負の影響はネズミモチに限った話でなく,
他にも懸念される要注意導入植物が多数あります.


とても華やかにみえる園芸分野のダークサイド.
あなたはそんなダークサイドをどう考えますか?


by koma & mich.katz

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