Campus Plants _ Robinia pseudoacacia

ハリエンジュ / 針槐


Leguminosae / マメ科
decorated by momi, photo by mich.katz
今の季節は、写真のように、茶色一色で色気のないハリエンジュですが、春には白い房状の花をたくさんつけます。春、公園や街を歩いている時に、地面に白いじゅうたんを見つけたら、上を見上げてみてください。そこにあるのが、ハリエンジュの木です。


ハリエンジュは、マメ科の落葉高木。
別名を「ニセアカシア」といいます。
学名の一部がpseudoacacia すなわち、「偽のアカシア」という意味を持つ言葉であるため、このような名前で呼ばれています。アカシアはマメ科の別属の植物*1


でも、「ニセ」アカシアだなんて、ハリエンジュからしてみると、ちょっと不名誉じゃない。
・・と、思いになるでしょう?


ところが、この植物こそ「アカシアの蜂蜜」の原料。この木は、養蜂家にとって良質の蜜を採取できる貴重な植物なのです。


そんな私たちの生活に役立つハリエンジュですが、かつては森林復元を目的として人為的に植栽されていたこともありました。しかし、予想以上に生育が早く、強い生長力を持っていたため、現在国内各地に広がっており、日本の在来植物を脅かしています*2。中には遷移が進んでハリエンジュだけの森になってしまった例もあるようです。


自然界では、一度野に放たれた外来植物が、まるで水を得た魚のように、生息域を拡大してしまうことがよくあります。外来植物が野生化して繁殖することにより、もともと日本に生息していた植物が生育場所を失い、結果として、絶滅の道をたどってしまうのです。そのような危険性が心配される外来生物特定外来生物としてhttp://www.env.go.jp/nature/intro/youtyuui.htmlにリストアップされています。


その一方で、ハリエンジュが特定外来生物として指定されると困るのは養蜂業者。現在、多くの養蜂業者がハリエンジュの蜜に頼っているからです*3。甘党の私としては,蜂蜜として使う分くらいはハリエンジュを残しておいて欲しいと思うのですが・・・。


環境問題ってそんなに「甘いもの」ではないとうことでしょうか?


by momi, snow & mich.katz