Eurya emarginata _ Campus Plants

ハマヒサカキ / 浜姫榊


Teaceae / ツバキ科
cecorated by massun, photo by mich.katz


本州中南部,四国,九州,南西諸島にかけての暖地海岸に自生する常緑樹.


庭園,公園,道路によく植栽される緑化植物です.街路樹として利用される場合は低く刈り込んでいる場合が多いので花を見落としがちですが,秋から春にかけ,小さな下向きの淡緑色の花が,枝に沿うようにして付きます*1.たくさん並ぶと磯のフジツボを連想させます(笑).この枝にもきっとたくさんの花が付いていたのでしょう.


和名「ハマヒサカキ」は,海岸に育つヒサカキという意味.「ヒサカキ」とは同属の近縁種で「姫榊」と書き,小さなサカキ(「榊」)という意味.サカキは同科別属の植物.


ところで,我が研究室所蔵の園芸植物大事典(小学館)にこんな記述が.

鉢植えされているものにヒメハマヒサカキ(f. microphylla)があり,葉が長さ6〜10mmと小さい.琉球諸島のものは変異が多く,テリバヒメサカキ,マメヒサカキなどとよばれるような型が区別される場合もある.


ヒメハマヒサカキを漢字で書くと姫浜姫榊.「小さな+海岸に育つ+小さな+榊」という意味になりますね.現代風表記なら「(小さな)×2 海岸に育つ榊」でしょうか?マメヒサカキ豆姫榊.さらに,ヒサカキの変種にヒメヒサカキというのがありますが,これは姫姫榊.いずれも,「小さな小さな榊」となります.


まるで「おみおつけ(御御御付け)」を思わせるような名付け方(「おみおつけ」の語源についてはこちら→http://gogen-allguide.com/o/omiotsuke.html).
後から発見される小さな類似品に仕方なく付けた名前なのでしょうか?それとも,分類学者の方々は洒落好きで,意図的にこのような名を付けているのでしょうか?


by massun & mich.katz