Equisetum arvense _ Campus Plants
スギナ / 杉菜
Equisetaceae / トクサ科
decorated by mich.katz, photo by mich.katz
「三寒四温」という天候をあらわす言葉があります。防寒着が手放せない寒い日が3日続いたかと思えば、日差しが暖かく春めいた日が4日ほど続き、それを繰り返すという意味。
つい先日も結構厳しい寒の戻りがあり、服装も冬着に逆戻り。あまりの寒さに背中を丸めて足元ばかりを見ながら外を歩いてと、なんと、ツクシがアスファルトを突き破って生えているではありませんか。「これこそど根性」と、つい一人でつぶやいてしまいました。
ツクシの本名はスギナ。写真のような、私たちがツクシと呼ぶものは、シダ植物であるスギナの胞子体の部分です。胞子体の形が筆に例えられて「土筆(つくし)」と漢字が当てられました。
胞子体のツクシが枯れるとやがてスギの木に似たスギナ(杉菜)が生えてきます。このスギナ。生育が旺盛で、しかも体内に含むケイ酸が鎌を切れにくくさせるため、厄介な雑草として嫌われることがしばしば。
しかし私にとってツクシは、幼い頃の思い出をつくってくれたありがたい植物。私が近所の空き地で籠一杯のツクシを採って持ち帰ると、家族みんなで袴の部分を丁寧に取り除くのが、我が家の春のイベントでした。袴取りは、子どもにとっては時間のかかる大変な作業でしたが、そんな苦労ほど楽しい思い出として残るものです。
母はそのツクシを茹で、その後、醤油と砂糖で味付けし、卵でとじる。http://www.geocities.jp/yamapon65/tisantisyou_tukusi.html#tamago_toji
それが私の大好物。どうです?美味しそうでしょう??
ビニルハウスやガラスハウスによる施設栽培が普及し、年中手に入る野菜がいろいろある今日では、ツクシ料理のように季節を感じさせる食材は、だんだんと疎遠になってきつつあるような気がします。
「旬のもの」を探しに、あなたも春の野にツクシ採りに出かけてみてはいかがですか?
by momi & snow.