Papaver dubium _ Campus Plants

ナガミヒナゲシ/ 長実雛芥子


Papaveraceae / ケシ科
decorated by simon, photo by mich.katz


最近,舗装された道路の道端などわずかな土のあるスペースによく見かけるオレンジ色の花.


地中海沿岸からやって来たナガミヒナゲシです.園芸的に利用されるアイスランドポピーヒナゲシと似ていますが,本種は雑草として世界各地に広がっていると言います.雑草と言われても,まとまって花が咲くとなかなか奇麗です.


このナガミヒナゲシに関連し,今日は,是非気をつけてもらいたいことをお知らせしましょう.それは下の写真にある植物.



ナガミヒナゲシが咲く頃,やはり道端でこんな色のケシを見かけたことはありませんか?こちらはアツミゲシ(渥美芥子 P. setigerum)と言いますが,実はこのケシ,アヘン(モルヒネやヘロインの原料)が採れる種類なのです.


当然ながらアツミゲシを栽培することはケシ(P. somniferum)同様,麻薬取締法で禁止されています.いくら花が奇麗でも栽培できない植物もあるのです.最近,我が研究室の圃場の片隅でも発見されたので,即刻,引き抜いて処分しました.栽培が禁止されているケシの種類は,東京都福祉保健局のHP*1などに情報がありますので,参考にされてください.


ところで皆さんは,アンパンのトッピングで時々見かける白い小さな粒がケシの種子というのをご存知でしたか?ポピーシード*2として普通に販売されているこのケシの種子は,アヘンが採れるケシと同じ種類から採れるそうです.


えっ?それは大変?


ご安心ください.食品として利用されているケシの種子には麻酔性はありません.


それにしてもケシは,同じ植物の果実から採れるものが麻薬にも食材にもなるという不思議な植物です.


by simon & mich.katz

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