Chionanthus retusus _ Campus Plants

ヒトツバタゴ / 一つ葉田子

Oleaceae / モクセイ科

decorated by mae & gucci, photo by mich.katz


モクセイ科の落葉高木で,初夏になると,白い花を付けます.自生地である対馬の鰐浦地区にあるものは,国指定天然記念物となっている植物です.
白い花が咲いている様子が,まるで木に降り積もった雪のように見えるため,「Chionanthus retusus」すなわち「雪の花」という学名が付けられました.


対馬の鰐浦地区のヒトツバタゴは,海岸沿いに自生しています.海を照らすかのように,白く美しく咲いている様から,地元では「海照らし」という名で呼ばれることもあるようです.→http://www.yado.co.jp/kankou/nagasaki/tushima/waniura/waniura2.htm


ヒトツバタゴとは,「一つ葉のタゴ(トネリコ)」という意味です.ヒトツバタゴは,1825年,尾張の植物学者,水谷豊文が発見しました.タゴ(トネリコ)に似ている木として発見されたのですが,タゴ(トネリコ)が複葉であるのに対し,ヒトツバタゴは単葉であったため,このような名前が付けられたといいます.


ところで,このヒトツバタゴですが,面白い別名で親しまれていることが分かりました.その名も,「なんじゃもんじゃ」.


なんじゃもんじゃ」という言葉を辞書で調べてみると,次のように記されていました.

その地方には珍しい樹種や巨木をさしていう称。クスノキ・ヒトツバタゴ・バクチノキなどである場合が多い。千葉県神崎町神崎神社のもの(クスノキ)、東京都明治神宮外苑のもの(ヒトツバタゴ)、筑波山のもの(アブラチャン)などが有名。あんにゃもんにゃ。

どこかの誰かが言い出したのでしょう.面白い愛称を持つ木です.


日本におけるヒトツバタゴの自生地は限られていますが,観賞用に栽培されている地域は少なくないようです.道路の脇にヒトツバタゴの木を植え,その通りの名前を‘なんじゃもんじゃ通り’としている地域もあります.→http://www.city.kitakyushu.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=4692でも,‘なんじゃもんじゃ’が何のことだか知らない人は,この通りの名前を聞いても,ピンとこないかもしれませんね.



話は変わりますが,ここでお知らせです.
昨年の12月に始まった『一日一植物』プロジェクト.
毎日一つの植物を紹介していくということで,教員・職員・学生スタッフで頑張ってきましたが・・・,今日のヒトツバタゴで,なんと100植物となりました!!
私たちが,ここまで続けてこられたのは,みなさんの応援のおかげでもあります.
これからもスタッフ一同で頑張っていきますので,是非,『一日一植物』をよろしくお願いいたします.

by snow.