生物科学I「植物と環境」


昨日の福岡市最高気温29℃。
集中管理される講義室のクーラーは作動していない。
風の入口は講義室の最後部の窓とふたつの入口。
部屋の中は熱気ムンムン。


いくら節約と言われても、
こんな教室環境では講義意欲も学習意欲も削がれてしまう。
こんな日くらいクーラの使用を認めて欲しい。


さて、今年で三年目のこの授業。
毎年、受講者がたいへん多い。
今年の受講登録者278人。
本日の出席者257人。


そしてこれまでと違うこと。
そのうち254人が文系(文学、教育学、法学、経済学)の学生。
高校で言えば、文系コースの生徒に生物を教えるようなものだ。


これほどの人数。
PTAのイベントや講演会でPRしてもまず集まらない。
なのに、なんのPRもしない大学の講義には集まるのである。
話しが面白かろうが面白くなかろうが集まるのである。
単位取得という縛りがあれば可能なのである。
この集団がそういう要因によって出来上がっていることは、
机にうつ伏して一度も顔を上げようとしない学生や、
教室の後ろの方の床にしゃがみ込み真剣な表情で携帯電話をいじっている学生を見れば、容易に想像できる。
話し手として、それほど面白くないことはない。


そこで状況をポジティブに捉える。
ひょっとすると250人の生き方や行動に影響を与える可能性もあるのだ。
期待してなかったけど、出席して良かったと思えるかもしれない。
そういうことなら教える側も教わる側もお互いに幸せなことではないだろうか。
そう思うと挑戦的な気持ちになる。


受講者は教育や経済、法律の分野で将来活躍する可能性がある人材だ。
私の講義から植物の進化や生態の基本的考え方を学んでもらうだけでなく、
農業生産や農業そのものを考えるきっかけを掴んで欲しい。
そのきっかけをどこかで活かして、社会で活躍して欲しい。


6月5日、日赤看護大学での100人の学生におこなった食育の講義。
100人余りの学生の心に多くの“考える材料”を残すことができた講義だった。
その時のように印象的な講義にしたい。


そこで、
昨年は2回の講義で消化した内容を1回分に凝縮した。
来週の講義をまるまる新たな内容で話せるように。
そして、来週の講義へ向けての伏線も敷いた。


「日本の農業、大切ですか?なぜですか?
出席カードの裏に自分の答えとその理由を書いてください。」


それが私から250名の若者への問いかけ。
さて、学生たちの回答は……(明日へ)