松尾貴臣さん in いのちの授業


残すところあと2回となった今期「いのちの授業」のテーマは「別れの学び」。


この日の教室は、ライブ演奏を聴きながら共に学ぶ、非日常的空間へと大変身した。九州をツアー中のシンガーソングライター松尾貴臣さんが、「いのちの授業」の受講生のために熱唱してくださったのだ。


松尾貴臣さんのメインステージは病院や福祉施設。老人、知的障害者、がん患者に語りかけるように唄い、年間3万キロを旅する。直腸ガンで余命半年を宣告され、39歳で他界した女性との出会いをきっかけに始めたというその活動は、年々増え、今では年間250回を超えるそうだ。


ホスピタルライブは基本無料で、収益は会場で販売するCDなどグッズの売上げから。それで生活をするのはたいへんなことだろうと思っていた私に、松尾さんが居酒屋で語ってくれた。「本当に良いものなら必ず響く。聴いて頂けることに感謝し、聴けたことに感謝する。そんな心の繋がりや満足感を生みだせるのがライブの醍醐味」。メジャーな広告媒体に依存せずとも音楽を生業とすることができる独自のノウハウは、自分で仕事をつくっていくためのヒントが満載だった。


力強い歌声と共に松尾さんが歌詞に織り込む夢、希望、感謝、優しさ、愛、絆といった言葉は、命をしっかりとみつめながら生きている人たちを励まし、感動させ、涙させる。この日も、松尾さんの亡き祖父の人生を語った新曲「扁平足」が披露されると、受講生たちの目頭に光るものが見えた。


「別れ」=「死」。多くの大学生にとってまだ身近でない世界について、敢えて考えてもらう場を設けることで、いのちについての学びを深めようとする挑戦的なテーマだったと思うが、松尾さんのご協力のおかげで充実した授業となった。


松尾貴臣さんのライブ演奏をフィーチャーした授業。またやりたい。


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