サクランボ収穫祭

お昼前,一本の電話が.「サクランボを採りに来られませんか」と,ご近所のMさんからのお誘い.Mさん宅にはオウトウの樹が,小さな通りから見える庭の一角に二本植わっていることは以前から知っていた.サクラよりも早く咲く花や,連休の頃に撓わ(たわわ)に稔る奇麗な桃赤色の実を,毎年,通りから眺めて楽しんでいた.それを今年は,収穫まで楽しませてもらうことになるとは予想もしていなかった.
鳥除けのネットに覆われた樹に,今年も奇麗な果実がたくさん稔っていた.Mさん曰く,忙しくて収穫を先延ばしにしていたのだが,今夜から降りそうな雨の前に,収穫してもらいたかったとのこと.熟したオウトウの果実は雨に当たると割れてしまうのだ.程よい酸味を残して熟したオウトウを時々頬張りながら,家族全員でかご一杯に収穫させてもらった.
お礼に九州大吟醸を差し上げたのだが,なんとMさんはご存知だった.聞けば,この春,お子さんが九州大学に入学した際に,大学から配布された広報誌を読んで九州大吟醸のことを知り,一度,飲んでみたいと思っていたらしい.なんとも不思議な因縁である.
すっかり意気投合した私たちは,そのまま収穫祭へ突入してしまった.思いがけず楽しい時間を過ごした休日だった.