叱られて育つ子供の心

昨日は小学校3年の長女の授業参観日だった.3桁の足し算において百の位の数字からおよそどの程度の合計値になるかという,いわゆる「見積もり計算」の活用について学習していた.こういう能力は,買い物等実生活で大いに必要となる.それをグループゲームを活用して教えるところなどは,こんな風に小学校の時分は習っていたのかと懐かしく,また再発見的な感動があった.
考えてみると小学校の授業に比べ,大学の授業においてグループ単位の活動を採用するものは意外に少ない.グループ単位のディスカッションは,一方的に説明を受ける講義に比べて,自ら発言し,思考する時間が多くなるというメリットがある.またテーマやタスクの設定によっては,自分で調べてレポートするという技能が身に着き,習熟度も上がるだろう.
参観授業後の懇談会では,あらかじめ自分の子供が答えた家庭や日常のことに関するアンケートを見た上で,親として反省することや気をつけようと思うことを述べ合った.アンケートの問いのうち,親の一番いやなところや,なおしてほしいことの第1位は,「怒る」こと.我が子も同じ答えだった.
この子供の答えに対し,子供を怒り過ぎないようにしたいと言う親のコメントがかなり多かったと思う.私も感情的に訳もなく「怒る」ことは慎みたい.しかし,子供の間違っている事や悪い事を「叱る」ことは親の大事な役目なので,これからも,「叱る」ことは続けていきたいと思う.
最近,叱られる事に慣れていない子供達が増えたと感じる.そのような子供ほど,なぜ自分が叱られているのかを理解できずに,周囲とのコミュニケーションがとれなくなる傾向が強いと感じる.「叱られる」という行為を通して相手の気持ちを察するというコミュニケーションは人間の成長においてとても大事だと思う.