職人技

mich_katz2005-06-27

先週からツツジの芽生えの植え替えをしている.以前のblog記事で紹介した九州大吟醸プロジェクトのサブプロジェクトとして実施しているツツジ絵巻プロジェクト(ヤマツツジプロジェクト)の一環だ.
芽生えて1〜2ヶ月ほどだが地上部は本葉の長さがせいぜい2〜4mm程度でとても小さい.よくもこんなにか弱い状態からあのような立派なツツジの樹になれるものだとつくづく思う.しかも本葉の表面には成熟個体と同じような毛が既に生えている.
もう少し地上部が大きくなってから植え替えても良さそうであるが,地上部が小さくても地下部では透明色の細根が繁茂しており,別株の細根と絡み合っている.1株でも多く苗を育成したいのなら,根へのダメージが少ない今の時期が適当だろう.
ピンセットで丁寧に水苔から株を取り外し,プラグトレイという野菜や花の育苗によく使うトレイのボラ土と水苔を2層に詰めた穴の中に1株ずつ植え替えていく.
苗があまりにも小さいので「植える」というよりは,ちょうどミニチュア模型を制作する時のようにあるパーツを水苔の上に「置く」という感覚だ.私と技官のMさんの場合,1時間頑張って50株程度の作業能率だった.目標1500株くらいなので延べ30時間の仕事になる.1日2時間かけても一人だと15日もかかる.二人とも手先の器用さには自信がある方なので,これでも標準以上のペースだと思う.
ところが,一緒に手伝ってくれた環境創造舎のKさんは,我々の倍のスピードでこの作業をこなす.しかも決して仕事が雑ではなく,とても丁寧だ.こういう「職人技」は誰もが持ち合わせているものではない.ツツジの苗の植え替え競技というものがあれば,彼女はきっとチャンピオンになれるはず.
日頃の環境創造舎の活動をとおして,仕事捌きに関する優れた才能の持ち主であることをは予てより承知していたが,改めて彼女の能力に感心してしまった.
私も挑戦してみたいという方が居れば,是非参加してもらいたい.

植え替え作業の予定:6/27,29の午後1時より園芸学研究室の温室ほ場(問い合わせは092-642-2829,m-hirama@agr.kyushu-u.ac.jp,比良松へ)

'ヤマツツジ絵巻プロジェクトの紹介は環境創造舎のHPからどうぞ