手を汚さずに昆虫を欲しがる子供たち

長女が通う学童保育所の夏休みのメインイベント,サマーキャンプが終わった.今年初めての試みであり,私がプロデュースした夜の昆虫採集も多くの子供達や父母から喜んで頂き,無事に終えることが出来た.その様子は別Blog「環境創造舎の日々」で報告している.
ところで,昆虫採集で小学生を相手にして気付いたことがある.
多くの子供達が自分の手を汚すことを嫌がるのだ.
昆虫をおびき寄せる餌として焼酎漬けにしたバナナを使った.そのバナナをビニール袋から取り出して女性用のストッキングに入れ,適当な樹にくくり付けるのだが,その作業を皆やりたがらない.臭くて見た目が汚いかららしい.傍観していると,下級生や少し気の弱い子が,上級生や気の強い子にやらされている.「おじさんやって」と泣きついてくる子供もいた.

「アルコール度数の高い焼酎に漬けられて醗酵しているバナナよりも,遊んでいる時にいろいろなものを触りまくっている君たちの手の方がよっぽど汚い!」

と私は言いたかった.

また,樹の幹にその餌をくくり付ける時も,樹があるところまでなかなか歩いて行けない.林縁に生えている草むらやそこに張ったクモの巣が気になるらしい.林縁のクヌギミズナラまで行き着けず,公園の中のクスノキに餌を縛り付けるグループもあった.まあ,絶対来ないとは言い切れないが・・・
今回,昆虫採集に参加してくれた子供達もクワガタムシやカブトムシが好きだからこそ参加したはずだ.しかし,自分の手は汚したがらないのである.
こうした傾向を助長する要因は近年の昆虫ブームにあるかもしれない.近年の昆虫ブームを支えるているのは外国産のカブトムシやクワガタムシだ.それらはお店に行ってお金を払えば簡単に手に入る.そういう子供達は確実に増えている.
自ら手間ひまを駆け,体験したからこそ身に付いて行くものがある.森の樹の種類.そこに集まる生き物.夜の森の営み.子供のうちに五感をフルに活用する様々な体験をたくさんして欲しいものだ.