選挙

今回の選挙は自民党の圧勝だった.政権交代を訴える民主党の意表をつくタイミングで解散総選挙へ突入したので,自民党が勝つだろうとは思っていたが,これほど圧勝するとは思っていなかった.小泉首相の強烈な(強引な?)リーダーシップが多数の市民の支持を得たというのがマスコミの分析だ.
私は郵政民営化には絶対反対ではない.しかし,少数意見に耳を貸さず除外したり,法案に賛成か反対かと問題を単純化する小泉首相のやり方には抵抗を感じるし,このような手腕を支持する世論に恐ろしさを感じる.
私が日頃関心を持っている環境問題では,多様な主体の合意形成を図ること,すなわち,様々な利害関係の立場の人々にとって最適なバランスがとれるような解決策を導き出すことが重視されている.その最適状態は,多種多様な性質の生き物が様々な相互作用の絶妙なバランスで維持されている生態系に置き換えることができるかもしれない.一方,今回の小泉首相の問題解決方法は,ある特定の生物にとってマイナスの影響を与える他の生物はすべて排除し,特定の1種によって占有される状態が最適だとしているように思える.それでいいのだろうか?