トヨタプリウスと地球温暖化

mich_katz2005-09-23

1年半ほど前からトヨタプリウス*1という車に乗っている.ガソリンと電気で効率良く走るハイブリット車である.日本での発売当初,注文から納車まで半年程度かかったほどの人気車種である.
私の車選びの基準では,見た目よりも機能を重視する.特に同じパワーなら燃費の良い車を必ず選ぶ.
以前乗っていたトヨタビスタアルデオという車は,排気量2000ccのガソリンエンジンを搭載しており,ガソリン1リットル当たり11kmの走行が可能だった.当時としては,おそらくこの排気量クラスで最も燃費の良い車だった.
しかし,プリウスは1リットルのガソリンで22km,約2倍の走行が可能である.
私の場合,年間25000km以上自家用車で走行するので,プリウスに乗る前は2272リットルのガソリンを消費し,5250kgのCO2を排出していたことになる.
これは,環境省の試算による日本の1世帯あたりの年間CO2排出量5900kg*2に届きそうな数値である.私個人が如何に環境に負荷を与えて生活していたかがよくわかる.環境問題に取り組む個人としては問題だと感じていた.身の回りからできる地球温暖化対策としてプリウスの購入を決めた.プリウスを購入することによって,車の使用によるCO2排出量を半分にすることができた.
わが国のCO2排出量は13億7千万トンで,その内自家用車による排出量が1億3千万トンである*3.もし,日本中が所有する現在の車の燃費をすべて2倍にすることができたら,(これ以上自家用車が増えなければ)年間6500万トン(総CO2排出量の約4.7%)のCO2を削減することになる.2002年に批准された京都議定書の目標数値を達成するためにわが国では1億7千万トン(森林によるCO2吸収分を加味すると1億2千万トン)のCO2削減が必要とされる.これを考えると,CO2削減に対するハイブリット車による格段の燃費向上効果は非常に大きい.
最近,政府では率先してクールビズウォームビズを推奨しているが,冷暖房の温度を1℃上げ下げしても,その効果は家庭当たりわずか0.5%のCO2削減にしかならない.車を日常的に使用している家庭なら,燃費が2倍の車に乗り変える方が遥かに効率よく家庭当たりのCO2排出量が減らせるだろう.
ハイブリッド車は種類がまだ少なく,かつ,従来のガソリン車よりも価格が高い.しかしながら,これまでのガソリン使用量が半分になるとすれば,家庭にもたらす経済効果も大きい.私の場合,ガソリン使用量が年間1136リットル減ったのでガソリン単価130円/リットルとすると147680円の節約をしていることになる.
プリウスガソリンエンジンカローラのエンジンと同一規格で排気量1600ccだ.しかし,バッテリー電気とのハイブリッドシナジー(相乗)効果によって排気量2400ccに負けないパワーを持つ.アクセルペダルを踏み込むとすぐに反応する電気パワーの加速力はすごい.
パワーと燃費という対立する要素を同時に向上させたトヨタの技術に拍手である.