My Sweets _ The First Impression

第一印象


それは写真の真髄


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私が写真に興味を持ったのは大学生時代.その頃はカメラを買う経済的余裕なんてなかったので,ひと学年上の先輩からカメラを借りたりして練習していました.その頃はフィルムカメラの時代で,写真を撮るためにフィルム代,現像代,プリント代が必要だったので,思う存分写真を撮るなんてなかなか出来ず,なかなか満足のいく写真は撮れませんでした.


就職して稼げるようになった頃,初めて自分のカメラを手にしました.経済的にも余裕を持って写真をプリントできるようになったので,撮影技術も少しずつ上達したと思います.


その頃の写真を見ると思います.なんだか印象が薄いなあと.確かに撮影技術は上達つつあったかもしれませんが,被写体をより奇麗に,あるいはよりかっこ良く撮るには習得した撮影技術をどう駆使したらよいか.そんなことばかり考えていました.撮影技術に溺れていたということでしょう.


最近は,撮影する時の気持ちがその頃とは違ってきました,今,私が写真撮影で最も大切にしていること.それは・・・


「出会った瞬間の感動」


ここに掲載した写真は去年の夏,与那国島で撮影したもの(何人かの方は「あぁ,あの写真ね」と思いでしょう).ガジュマルの気根にじっとしがみつく一頭のリュウキュウアサギマダラのけなげな姿と,背景の木漏れ日の美しいイルミネーションの組み合わせによって偶然に作り出された幻想的な光景でした.その光景を目の当たりにした私は,しばらくの間,我を忘れて写真を撮り続けていました.その時の感動を忘れたくなくて・・・.


この出来事はその後の私の撮影スタイルを変える大きなきっかけとなりました.