Oxalis pes-caprae _ Campus Plants

オオキバナカタバミ / 大黄花傍食


Oxalidaceae / カタバミ科
decorated by koma, photo by mich.katz


カタバミ」という植物を知っていますか?


そうです。よく道端に咲いているのを見かけますね。


クローバーに似た葉を持ち、黄色い小さな花を咲かせます。面白いのは、実にそっと触れた時。種がプチプチと音を立ててはじけ出してきます。子供の頃に、道端で遊んだ記憶がありませんか?


今日の植物、「オオキバナカタバミ」は、カタバミ科カタバミ属の園芸品種。原産は、南アフリカですが、世界各地で観賞用に栽培されています。


特徴的なハート型(倒心臓形)の葉。爽やかな黄色い花。とても、かわいらしい植物ですね。葉には、紫色の斑点があり、他のカタバミ属の植物と見分けることができます。オオキバナカタバミは、名前の通り、普通の「カタバミ」よりも大きな花をつけます。


日本へは、明治時代に持ち込まれました。1961年には、鹿児島で帰化状態にあることが判明し、現在では、本州の太平洋側〜九州で見られます。


そんなカタバミですが、こんなことができるのをご存知ですか?簡単なので、あなたも実験してみましょう。

  • まず、10円玉を用意します。
  • 次に、カタバミの葉を数枚取ってきます。
  • では、カタバミの葉で10円玉を磨いて見ましょう。
  • すると・・・、あら不思議。
  • 磨いた部分が、きれいになりました!


(上半分を磨きました.)


何故でしょう?


それは、カタバミにシュウ酸が含まれているからです。(信用できない人は、カタバミの葉をちょっとかじってみるといいですよ!)


昔の人は、このことをよく知っており、平安・鎌倉時代には、銅製の鏡をカタバミの汁で磨いていたようです。なるほど。古人の知恵ですね。


今でも、カタバミはこんなところに使われています(こちらをみてね → http://www.otomiya.com/kamon/plant/katabami.htm)。このカタバミをモデルとした家紋は、戦国時代の武将に好まれたようです。戦国時代に四国を統一した武将に、長宗我部元親という人物がいます。当時、彼を含む160数家が、カタバミの家紋を用いていたようです。家紋には、子孫繁栄の願いが込められたのだとか。カタバミが種子を遠くへ飛ばす様子から、その繁殖力に注目したのでしょうね。


それから、カタバミは、虫さされや皮膚病に効く薬草としての効果も持ち合わせています。


地面に這うようにして、ひっそりと咲いているカタバミですが、実は古くから日本人に親しまれ、人の役にたってきた植物だったのですね。


by snow & koma