Ilex cornuta _ Campus Plants

ヒイラギモチ / 柊黐


Aquifoliaceae / モチノキ科
decorated by momi, photo by mich.katz


中国東北部朝鮮半島に自生する常緑低木.


和名,ヒイラギモチは,ヒイラギのような葉をつけるモチノキの仲間という意味です.クリスマスのリースやツリーの素材として使われます.同様の目的で使われるセイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium,Christmas Holly)と区別するために,ヒイラギモチは英語でChinese Holly と呼ばれています.


ふと思いました.
なぜクリスマスにヒイラギ(この場合はセイヨウヒイラギ)なのでしょう?


実は,ヒイラギの葉はイエス・キリストの頭に被らされたイバラの冠,つまり,受難を意味しており,赤い実はキリストが流した血を意味しているそうです.


クリスマスに教会で飾られたヒイラギを持ち帰って部屋に飾ると,翌年は幸せに清らかにすごすことができるそうです.また,ヒイラギを素材とした輪形のリースは,永遠に続く神の愛を象徴しており,玄関に飾ると災いを追い払うことができると言います.


クリスマスがキリストの誕生を祝う日であることをほとんど実感していない私は,これまでヒイラギを用いたクリスマスの装飾にそんな意味があるとはまったく知りませんでした.


日本でも邪気を追い払うためにヒイラギ(こちらは本家ヒイラギ)を飾って新年を迎えると紹介しました(http://d.hatena.ne.jp/mich_katz/20060204).洋の東西において,文化が違っても,災いを追い払うためにトゲのある植物を用いるのは興味深いことです.


心にトゲを持ってはいけませんが,植物のトゲはおおいに活用しましょう.


by momi & mich.katz