Ternstoroemia gymnanthera _ Campus Plants

モッコク / 木斛


Teaceae / ツバキ科
decorated by simon, photo by mich.katz


本州千葉県以西〜四国,九州,南西諸島,朝鮮半島南部,東南アジア,インド,スリランカと広く分布するツバキ科の常緑樹.


花は6〜7月.白〜淡黄色の花が下向きに咲きます.その花の香りがセッコク(石斛)に似ている木という意味で,モッコク(木斛)の名がついたそうです.


赤みをおびた葉柄や果梗,果実が美しく,アカミノキとも呼ばれます.丸みのあるやさしい感じの曲線をもつ葉と葉の間に果実が下向きに成る様子は,一生懸命羽ばたこうとしている生き物のように見えます.


幹がまっすぐに伸る性質が強く樹形が良いので,庭園木としてよく植栽されます.


沖縄では,モッコクは「イーク」と呼ばれ,重要な建築材です.シロアリの食害を受けにくいモッコクの材に目をつけた琉球王朝は,首里城の正殿にこの材を用いたそうです.しかしながら,モッコクは生長が遅く,良材が稀少化することを恐れた琉球王朝は,庶民がモッコクを伐採することや建築材に用いることを禁じたと言います.今でも,モッコク材を用いた旧家が文化財として残されているようです*1


沖縄を旅するときは,そんな植物と人との関わりにも目を向けてみてはいかがでしょうか.


by simon & mich.katz