Ardisia crenata _ Campus Plants

マンリョウ / 万両


Myrsinaceae / ヤブコウジ
decorated by matsuda, photo by mich.katz


本州関東以西〜四国,九州,南西諸島,朝鮮半島,中国,台湾,インドの林内に自生する常緑小低木.


濃緑色の葉と赤い実のコントラストがきれいで,1/22(http://d.hatena.ne.jp/mich_katz/20060122)に紹介したセンリョウと同様,縁起のよい植物として正月の床飾りや庭園木に用いられます.センリョウよりも実がたくさんなるので「万両」と名付けられたそうです.新しい枝葉よりも下の前年枝に果実が成り,この点でセンリョウと区別できます.


マンリョウは江戸時代から庶民に愛好された,いわゆる古典園芸植物のひとつで,現在,果実色変異(キノミマンリョウ,シロミマンリョウ*1),葉形態変異や斑入りによる変異*2を有する80あまりの品種があります.


センリョウとマンリョウを昨日紹介したのモッコク(http://d.hatena.ne.jp/mich_katz/20060224)の株もとに定植し,「千両,万両,持ち込む」と縁起をかつぐ人も居るそうです.


このように日本では福をもたらすというマンリョウですが,近年アメリカ(フロリダ州)では,果実散布によって自然植生への実生の帰化が進んでおり,自生植物への悪影響が懸念されています*3


「福」転じて「災い」と成す.
お金をむやみにばらまくことは必ずしも幸福をもたらさないようです.


by mich.katz