German Market_ in Germany

German Market 2

ドイツのマーケット / 独国の市場


photo by mich.katz


思わず目を奪われる鮮やかな色の花々.日本人とは異なる外国人の色彩感覚を感じる瞬間であり,異国でのマーケット探索の醍醐味です.


さて,昨日の最初のクイズの答えは,1)キャベツ でした.
一見,カブのように見えますが,茎がカブのように肥大したケール(キャベツの仲間)です.
コールラビとはドイツ語で,キャベツ(Kohl)+カブ(Rabi)を意味しており,日本語では「蕪甘藍(かぶかんらん)」と言われます.


調理はカブと同様.生食(サラダや漬け物),煮る,炒めるなど,様々な方法で現地では食されているようです*1


もう一つのクイズ,
「なぜ,日本人の食事作法では残さないように食べることを重んじるのか?」
に関する答えは,内山先生の著書から抜粋します.

 少し前までは食事の作法は厳しく守られていたものですが,それは次のような理由によるものでした.
 たとえば,ご飯を食べるとしましょう.そのとき,ミを食べるのか,カラを食べるのかが問題になりました.ミは実ではなく魂のことで,生命のことです.カラはこのミ(魂)を包んでいる体のことで,骸のことです.
 つまり,カラ(骸)のなかにあるミ(魂)を体のなかに入れるから,食事をすると生命が回復できると考えた.食事とは生命をいただくことだったのです.……
 ですから生命をいただくための作法が重要だった.作法に従わないで食事をすると,ミ(魂)が逃げていってカラ(骸)しか食べられなくなる.そうするとお腹はふくれても,生命を高めたり,回復したりができなくなると考えた.
 食事はミ(魂)をいただくものであり,そうである以上,自分たちの犠牲になっていくミ(魂)=生命に対する感謝が必要だった.とともに,一杯のご飯だけでも何万という生命を奪って行く人間のあり方を直視する,だから心から感謝する必要があった.それが故に食事の作法が,かつては厳しく守られていたのです.
 ここにあるものも,人間とは何か,生命とは何か,他の生き物たちと人間との間につくられている関係をどう考えたらよいのか,といった思想が,作法として表現されていった様子です.
 つまり,もともと作法の背後には思想があったのです.最近では,このような思想のあり方に気づかなくなっているだけなのです.ー 内山節「地域の作法から」(http://www.amazon.co.jp/gp/product/4540053094


犠牲になった生命を簡単に残して捨てることはできませんネ.


「嫌いなものも残さずにちゃんと食べなさい」という親の言葉には,そんな日本人の思想が知らず知らずのうちに込められていたのだ,と痛感します.そして知らないうちに残さず食べるという行為が身に付いている日本人.ドイツ料理の一品のとてつもないボリュームに翻弄されながらも,完食を試みてしまう我々日本人の性(さが)です.


また,食べ物を大切にする作法には,時として,それを作ってくださったお百姓さんに対する感謝も込められることでしょう.その思いはobentoringさんの今日の記事(http://obentoring.exblog.jp/)からも読み取れます.