デカタ考
農学研究院構内の環境美化について(通知)
平成5年に制定された「環境基本法」において,6月5日を「環境の日」と定め,国,地方公共団体等において各種の催し等を実施することとされています。
また,6月1日から30日までの1ヶ月間を「環境月間」とし,環境保全活動の普及,啓発に関する各種行事等を実施し,国民一人ひとりが自らの生活・行動を見直していくきっかけ作りを目指することになっています。
つきましては、農学研究院構内においても「環境の日」及び「環境月間」の趣旨に沿った,環境美化を下記の要領で実施することと致しましたのでご協力お願いします。
先月末,そんな学内通知がメールで配信される.
「なんだか,たいそうな案内だなあ…」と思う.
確かに,近年,‘環境’は一般理解を得やすいキーワードだと思う.でも,校内のゴミを拾ったり草を刈ったりしただけで,地球環境を保全したと感じる人はそう多くないのではないだろうか.
教職員だけでなく学生も参加対象,と言うことなので研究室の学生全員に伝える.
「どうせなら,圃場の草刈も一緒にやっちゃいましょう!」
そう言って,全員が参加してくれた.実験や論文書きで忙しいのに,そう言ってくれる学生たちを心強く感じる.
圃場でなく実験室で‘モデル植物’を育てる研究が隆盛をなす今日,研究室総出で共同作業なんてあまり聞かない.でも,様々な園芸作物を育てる能力も研究の一環とするうちの研究室は,‘共同作業’に慣れている.実験圃場の草刈,ビニルハウスのビニル張り,農具用倉庫の整理,台風対策など,一人できない仕事があり,そういう時は,だいたい研究室スタッフ総出で作業をするからである.
この共同作業は,ちょうど,農村の‘デカタ’に通じるものがある.
九州大吟醸プロジェクトとのつながりで,環境創造舎のスタッフはちょうど今の時期,元岡地区のデカタに毎年参加している(http://d.hatena.ne.jp/denjisou/20070605).私も参加したことがある.
「あんなに草で荒れていた水路があっという間に整備されていきます.大人数の力が結束したときのパワーのすごさを思い知らされます.」
「水路の草刈は予想以上に体力がいるし,何より朝が早い.それでも,4回も参加してしまうのは,地域の人と語れるから.」
「それにしても元岡の方達は本当に仲がいい.やり取りを聞いていてもまるで兄弟のような口ぶりなんです.何か懐かしい,そしてとても心地よい違和感.きっとこれが地域のつながり,人のつながり,心のつながりの表れそのものなんですね.」
参加した学生スタッフはそう言う.単なる清掃作業ということでなく,そんな,地域や組織の団結や人と人との交流も全部含めて’デカタ’と感じるのである.
農学研究院の教育として,日本の農村のそういう素晴らしい文化の保全を重視し,‘環境美化’でなく‘デカタの日’とするのはどうだろう.将来,農学研究院が伊都キャンパスに移転したとき,大学と元岡地域の交流にも発展できる.
ビアフェスタみたいな交流会付きだとなお良い.
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【今日までのできごと】
6/ 7 構内環境美化作業/事務仕事/河東小まつり実行委員会