生ゴミ先生 _ Campus Life

mich_katz2007-11-26

今日の一枚 〜 犬、飼いたいな〜



「ゴミを捨てているんじゃないですよ、菌ちゃんに食べ物をやっているんです。」


とニコニコ笑いながら、そんなふうに、幼稚園児や保護者に語りかける人がいる。



その人の名は、吉田俊道さん。


菌ちゃんとは、土壌中の菌類のこと。吉田さんは、生ゴミを土に戻しながら土壌中の菌類を増やして土の生命力をアップさせることにより、無農薬、無肥料で、美味しくて元気な野菜が作れるという、“生ゴミリサイクル元気野菜作り”を考案された。


生ゴミを上手に発酵させて土に戻しさえすれば、幼児でも、農業未経験者でも挑戦できることがこの農法の魅力だろう。吉田さんが活動の拠点とする長崎県を中心に、この農法によっておいしい野菜を無農薬で作ることに成功したという多数の事例が報告されていることが、それを裏付けている。みそ汁の日実践校の波佐見南小(http://d.hatena.ne.jp/mich_katz/20071028)もやっている。


また、吉田さんのお話は、農法にとどまらず、環境や食育まで及ぶ。


「ひとは土無しでは生きれません。ひとも土の命をもらって生きているんだヨ。それはナウシカの世界と一緒。いろんな命に感謝しよう。」
「ご飯は、お茶を飲まずに、30回噛むこと。噛むことで記憶力が増します。また、唾液がたくさん出て、消化が良くなり、身体の成長助け、健康な身体が作られるよ。」
「ジュースには、スティックシュガーで言うと10本以上の砂糖が入っているんだヨ。こんなに砂糖を食べたら身体に良いことないヨ。明日から半分にしようネ。」


そんなふうに、幼児や専門知識のない人に、分かりやすく、フレンドリーに話しかける姿は、まさに農と食の伝道師だ。


一般の人々に、この農法が普及することの意味は大変大きいと思う。


この農法をとおして、日々の食事を見直すことができる。輸入食材の問題、農家の苦労など、食材の向こうにある日本の農業の危機的状況も見えて来るだろう。


生ゴミリサイクル農法を、是非、PTAで取り組んでみたいと思います。」と私は講演を終えた吉田さんに宣言した。


瓢鰻亭の美味しくて身体に良い昼食を内田美智子先生と取っている間も、吉田さんの言葉が頭の中を駆け巡る。


「吉田さんの話を聞きながら、うちの子が通う小学校の子どもたちと一緒に、生ゴミ堆肥作りや有機農法に挑戦している自分の姿を思い描いていました。」と私。


すかさず内田先生が微笑みながら私に言った。



「土が付いたニンジンを子どもたちの前でかじっていたでしょう〜。」


「あっ、バレましたか。」