市議会で響き渡った“弁当の日” _ My Life


S谷議員に“弁当の日”の取り組みを紹介したのは、議会請願のための署名活動を終えた7月末のことだった。


私は、その時、「どうすれば、議員さんに市民の代表として議会にわたしたちの声を効果的に届けて頂けるか」を真剣に考えていた。


学童保育に特化した内容ばかり伝え頂いても、議会で「また学童の要望ですか」と思われるのがオチである。もっと多くの人に受け入れられやすいかたちで、学童保育の良さを伝えたいと思った。


「“弁当の日”しかないやろう。」


それが私の答えだった。


宗像市でまだ唯一の保護者集団による効果的食育の実践。“弁当の日”への理解が広まることは、学童保育が大切にしてきた“共同の子育て”への理解が地域へ広がっていくことを意味する。河東小学童で始まったの“弁当の日”の取り組みが、学童保育だけに留まらず、宗像地域全体の子育て力を変える可能性がある。


その日、私は、数日前に保護者に見せたのとほとんど同じスライドを、職場から抱えてきたプロジェクターでスクリーンに投影し、出席してくださったS谷議員とU木議員に次々と問いかけた。


「大規模化がもたらす問題が全て解決したら、それで満足ですか?」
学童保育で大切なものって何ですか?」
「預かってくれさえすればそれで満足ですか?」
「何をすれば共同の子育てになるのですか?」
「子どもたちに、どんな高校生、大学生、大人になってほしいですか?」


さらに、
「今時の大学生の食事」
「給食でいたさきますいただきますを言わせないで欲しいという親」
「思春期の子どもたちの実情」
を説明。


そして、
「香川滝宮小の弁当の日」
「河東小学童の弁当の日」
を紹介した。


二人の議員、共に頷いてくださった。S谷議員は「今度、この取り組みを議会で紹介するから」とまで言ってくださった。素直に嬉しかった。


それから4ヶ月が経った。


S谷議員が12月定例市議会の一般質問で、学童保育について市当局へ質問すると知った。早速、市HPへアクセスし、質問事項を確認した。


学童保育の全学年受入継続を」という内容で、条例を1〜6年生の受け入れるように変更することや、将来、人数制限を設けた場合に待機児童を出さないようにすることを望む保護者の気持ちをどのように捉えて、取り組もうとしているかを尋ねるものだった。“弁当”のベの字もなかった。


「そうだよな〜。議会で学童保育の運営に関して質問するのに、弁当の日の話は出てこんやろうな〜。」と一旦自己消化した。


しかし、サプライズは最後にやってきた。


「時間がたくさんあるので、ちょっと紹介したいと思います。」と一般質問の最後でS谷議員が切り出し、河東小学童保育の“弁当の日”について語り始めた(映像はこちら→http://www.gikai.city.munakata.fukuoka.jp/library/gikai_result.php?GIKAI=%CA%BF%C0%AE19%C7%AF%C2%E84%B2%F3%C4%EA%CE%E3%B2%F1&DATE=20071205&CATE=%B0%EC%C8%CC%BC%C1%CC%E4 “学童保育”に関する一般質問にあり。録画映像の終わり5分の1くらいのところから。)。


弁当の日が、学童保育の大切な理念“共同の子育て”の一環として、指導員と保護者が協力して取り組まれていること、こうした取り組みが、先月河東小学校でおこなわれたワークショップ“弁当の日 in 宗像”で紹介されたことや地域で取り組む食育や子育ての核になることを、教育委員会をはじめ行政に携わる議会メンバーに伝えてくださった。


あまりにも嬉しくなって録画映像を何度も見る。何度も「弁当の日」と言ってくださるので、「弁当の日」が何回言われたかをカウントする。


教育長の発言も含め、その数6回。


議会という場で、これほど「弁当の日」という言葉が響き渡ったことが他にあっただろうか?


ありがたや〜(涙)。弁当の日、ばんざ〜い!


S谷議員に感謝。