灯台下暗し


カノコユリの自生地調査に入って2週間。


地元の植物愛好家Mさんのおかげで自生のカノコユリと思われる集団からの採種が順調に進んでいる(http://d.hatena.ne.jp/mich_katz/20080916)。採種した種子を室内で十分に乾燥させたら、発芽させて実生を育成し、この冬から遺伝子分析と増殖にとりかかることができそうだ。ようやくスタートラインでスタートの体制に入ることができたとでも言うところだろうか。


しかし思えば、エコバッグ販売収益の利用方法としてこのプロジェクトを考えついたのが7月下旬(http://d.hatena.ne.jp/mich_katz/20080730)。そこから2ヶ月の間にこんなに進展するなんて当時は思いもしなかった。やっぱり未来から導かれているのだろうか。


この調査にはいつも思いがけない発見があって、とても楽しい。


例えば先日のこと。このプロジェクトに関心を示してくれた地元農業フリーライターのMさんより、実家の庭に栽培されていることが判明したと電話がかかってきた。子どもの頃からあったのだがまったく記憶になく、実家でカノコユリプロジェクトの話しをしたところ「我が家にあろうが。」と親に指摘されてびっくりし、慌てて私に連絡してくれたのだ。


Mさんにその電話を頂いた時に私は笑いながら「灯台下暗しですネ。」と言った。


ところがである。


今日、自生カノコユリを求めて案内役の植物愛好家のMさんと共に訪れたお寺は、私の小学校時代の通学路にあるお寺だった。しかも、そこのカノコユリは、通学路に沿った2メートルくらいの石垣の上辺に、果実が撓わに実った茎を下方にしだれるようにして植わっていた。ご住職の話によれば、40〜50年くらい前に近所に自生していた株を掘り獲って境内に移植したそうで、それ以来、毎年元気に花を咲かせていると言う。


そうであるのなら、小学生の頃、私は学校の行き帰りにそこのカノコユリが咲いている姿を絶対に見ていたはずだ。見ていたはずなのに覚えていなかった。


人のことを笑っている場合ではない。
ほんとうに灯台下暗しである。