河東小で弁当の日


話しは弁当の日東京シンポに遡る。


思いがけない飛行機の遅れ。実はそのハプニングのおかげで私はあることを決意することができた。それは……


PTA会長として弁当の日の実施を今年度中に実現すること。


出発遅延弁償のチケットで入った喫茶店で私は先輩PTA会長のY崎さんの言葉に耳を傾けながらそう思った。


Y崎さんはPTA会長を務める中学校で、今年度、既に弁当の日を実施されている。最初の弁当の日の朝、弁当を持って来れない児童のためにと、家庭科室で弁当づくりができる体制を整えていたことなど、PTA活動にまつわる様々なエピソードを話してくださった。Y崎さんの言動は、PTA会長とは何のために居るのか、何をするべきなのかを具現化する、非常に示唆に富むものだった。


決意を持って福岡に帰った私は、弁当の日を試みたい学年の学級担任に手紙を書いた。なぜ弁当の日をやろうとするのか。具体的にどういう準備をすれば学年一斉に弁当の日ができるか。先生方への期待と自分の気持ちを素直に書いた。


休日を挟んで返事の手紙を頂く。そこには……


「卒業式前日の3月16日(月)、最後の思い出作りのひとつとして、手作り弁当を持ち寄り歓談しながらひと時を過ごす時間を持ちたいと思います。」


しかも、私がやろうと考えていた教員間の連絡調整もすべて手紙を宛てた先生がこなしてくださっていた。それに関して私の出る幕はなかった。その気配りと誠意に心打たれた。そして今まで私が体験してきたPTA活動の中でもっともPTAらしいことが成し遂げられたのではないかと感じた。


感無量。


私の気持ちを表現する言葉はただそれだけ。


一昨年秋に“弁当の日 in 宗像”から数え、弁当の日をやる理由や意味を伝えるために小学校でおこなったセミナーは4回。PTA連合会の研修会も含めると5回にものぼる。その間、佐藤剛史先生、内田美智子先生(2回)、稲益義宏先生、竹下和男先生という弁当の日軍団の三役クラスに講師としてお出でいただいた。その好意に報いることができた。そして皆さんがお祝いのメッセージをくださった。本当に嬉しい。


3月16日、河東小に弁当の日の歴史が始まる。