菌ちゃんファミリー


ダンボーコンポストに熱中する小学生の保護者仲間、“菌ちゃんファミリー”のおはなし。


ある朝、ダンボーコンポストにハマったBさん(お父さん)から、こんな携帯メールがファミリーに一斉送信された。

お早うございます。
今日は委員総会ですね。
PTA本部の活動も残り少なくなりましたが、頑張りましょう!


ところで、
我が家の段ボールコンポストの温度がなんと!
90℃を突破!!


さらに、温度は上昇し計れない水域に突入!


『このままだと、温度計が破裂する!』


……という、夢を見ました……


メールをもらった保護者たちは皆爆笑し、
この日は、このメールのことを思い出し笑いしながら過ごした。


生ゴミが発酵して何度になるかは、菌ちゃんファミリーの最大の関心事。
しかも、各家庭それぞれに菌ちゃんに名前をつけており、以下のようなメールが飛び交う。


「うちの菌ちゃんは、一時57℃になったものの、最近40℃前後で、なかなか目標の60℃には達しません。やっぱり油を入れないと…」
「我が家の“キンさま”は異臭を放っています!今、油を入れ、骨など撤去中!!完全アウェイです。」
「うちの“ボルさん”は相変わらずテンション低めです。飼い主に似やがれー。……てことで、近々わが家でも油を投入してみようと思います。揚げ物しなきゃ!」
「我が家の“遠山の菌さん”が昨日の大量の食事で、今朝は45℃越えです。Bさんの夢の半分ですが、着実に我が家の遊び人たちも本業に徹するようになってきたようです。ありがたや!」
「我が家の“菌太郎”は絶好調。今日もK点(60℃)越えです!」


……という具合だ。


その名前がついた菌ちゃんたちを、先日、ファミリーが一同に持ち寄った。
小学校で育てるカノコユリや元気野菜の肥料として使うためだ。


そして4日経つと………


こんなに菌ちゃんが増えています。
中に手を入れると、ほかほかとして温かい。
どうやら各家庭で育った菌ちゃんたち自身も合体してファミリーになったもよう。