夏休みの大発見


御舟町での食育講演。
マニアックな私に、
かねてから見たいと切望していた“あるもの”を見るチャンスがやってきた。
あるものとは、小学生が夏休みに見つけたアレだった。


夏休みのある日のこと。
一組の父子が夏休みの想い出の研究にしようと化石の発掘へ出かけた。
二人で訪れたその場所は、
昔から貝の化石がたくさん見つかるとして地元ではよく知られていた。


当時、小学1年生だったその少年は、
貝とはどこか異なる黒い化石を見つけ、父親に知らせた。
父親が持ち帰った化石を奇麗にクリーニングすると、
湾曲したツノ状の黒い塊が現れた。


後に、その化石は、国立科学博物館に持ち込まれ、
肉食恐竜の歯の化石であることが分かった。
我が国で初めて発見された肉食恐竜の化石だった。
その恐竜は、発見場所の名をとって“ミフネリュウ”(メガロサウルスの仲間)と命名された。
それは、夏休みの想い出づくりが日本初の大発見へと変わった瞬間だった。


こういう感動体験は、マニアックな人生のはじまり。
学者への第一歩になる。


夏休み。
マニアを育てる絶好のチャンス。