長岡のスゴい人伝〜縛られない人生の達人


新潟県長岡市
昨年、“弁当の日”の仙台・庄内ツアーで知り合いになったTさんのご自宅にお世話になった。


そのTさんの紹介でOさんにお会いした。


「大学の先生と言われるから、もっと年寄りが来るもんだとばかり思っとったよ」と、
ちょっと辛口なトークが特徴のOさんは、
地元で大きなスーパーチェーン店を経営される、いわゆる社長さん。
しかし、58歳でお店をさっさと後進に譲って第一線を退かれ、
今では、海岸近くの別荘の庭で、
方々からコレクションした山野草を所狭しと栽培しておられる。
好きなことをしながら人生を送れるというのは素晴らしい。


「私の愛車に乗って行きますか」
と言って乗せて頂いたのは軽トラック。
荷台には山野草を採集するための道具が乗っけてある。
走ること数分、その軽トラックが海辺のヨットハーバーに横付けされる。
ハーバーには、1千万円は下らないと思われる、カッコいい小型クルーザーが整然と並んでいる。


Oさん「右から三番目のが私の。」
私「え?クルーザーお持ちなんですか?」
Oさん「ええ。」
私「すごいですネ〜。よく乗られるんですか?」
Oさん「うんにゃ。最近はほとんど乗らん。」
私「はぁ〜〜〜(ため息)」


帰路、
「定年なんて言うのは会社の都合。そういうものに縛られない人生もある」
と軽トラの運転席で語ったOさんの言葉が印象的だった。


長岡のスゴい社長さんは、
軽トラと山野草と海と、
そして自由な生き方をこよなく愛する人だった。