漫画授業再び 〜 小ゼミ“いのちの授業”


「いのち」とは何か。


少人数セミナーでは、この問いに対して、食、農、環境に関わる身近なことを切り口にしながら見つめていく。


その一方で、私は、自分の知識や自分の考えをできるだけ語らないようにしている。
この授業では受講生たち自らが体験し、感じ、納得行くまで考えてもらう。


週末のフィールドワークもそうだったが、元気野菜について一切説明せずに、イベントに参加させた。再来週、弁当の日をやるが、それについてもなにも説明していない。


そんなスタイルで行うこの授業で、私が最も重宝している教材が漫画「玄米せんせいの弁当箱」。


この漫画からこの授業でいつか体験するであろうエピソードを抜粋し、それを1時間以上かけてひたすら読み続ける。


読書中、教室がシーンと静まり返る。語るのは授業の最初と最後だけ。端から見ると授業しているようには見えないだろう。


学生たちの感想。

お花見が楽しそう。晴れた日に弁当を作って出かけたいと思った。皆で食べる相手のことを思いやって、まごころ込めて作ったお弁当は、とてもおいしくて楽しそうだと思った。こういう取り組みが広がって行けば自炊の楽しさが分かる学生も増えると思うし、食をもっと大事にすると思う。


自分は、食べ物を大事にしないことが大嫌いです。自分がどうしても食べ物を残したり、捨てたりするとき、自分のことが嫌いになります。人がそうしているのを見ると嫌な気持ちになります。だから、松下先生の「弁当の日」の言葉はすごく心に残りました。


子育ては大変なのだろうとは思っていましたが、母乳をあげるということひとつでこんなにも悩まされることもあるのだと驚きました。母乳によくない食品があることとか、今、子育てをしている母親が皆知っているのかな?と思いました。自分の母親も考えてくれていたのかな?この授業をうけてから、母のことをすごく考えるようになりました。今のうちから和食を練習したいと思いました。


噛むということにそんなに重要な意味があったなんて知りませんでした。食べ物を食べるということには、食材が口に入って身体の一部になるということだけでなく、食べ物を作るということから全て人間の生きるということにつながっているんだと感動しました。


母乳を飲まない赤ちゃんはアゴの発達が遅くなったりと良いことがなく、その原因は母親の食生活であることをしり、食事は重要だと再認識した。


大学生と言えば自炊すると言うイメージだったが、私はそれをやっていない。魚を切り身でしか知らず、豆腐を手の上で切れない大学生が、そのままピッタリ当てはまるのでとても驚いた。箱崎に引っ越す時は自炊をしようと思った。


母親の血液が母乳になるということは、この前の授業で知ったが、その母親の状態で母乳の味や栄養が変わることは知らなかった。自分が母親になったとき、気をつけたい。


おっぱい。いつか自分がお母さんになったとき、自分の子どもにしっかり母乳をあげれるようになりたいと思ったし、子どもの時に作られた味覚はずっと続くと、昨日の先生の話でもあったので、親の責任としてしっかり食について考えれるようになりたいと思いました。


歯でよく噛むことが大事だと言うことが印象に残った。虫歯だけが怖いんじゃないんだと思った。


弁当の日。私は普段、料理はあまりしないので、ちょっと心配ですが、今度、この漫画にあったようなことを実際にやると先生が言ってたような気がするので、とても楽しみです。みんな何を作ってくるのかな……、何つくろうかな……など考えると本当に楽しみです。


赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれない話。自分も女なので、将来、子どもを産みたいと思っていますが、美味しくないお乳では飲んでくれないと知ると、自分がちゃんとできるか不安です。お乳が出したくなる食品がたくさんあるのにも驚きました。あれらを完璧に食べないわけにはいかないけれど、おいしい和食が作れるように今から少しずつ練習していかなければと思いました。


母乳。将来私は人の親になるけど、自分の子にお乳を断られるのは絶対嫌です。母乳にいい食事を見てまず驚いたのは品数でした。自分は、今、忙しくてせいぜい二品しかつくれていないけど、それじゃ偏っているのは明らかです。今日から食事レポートもあるようなので、それをきっかけにもう一品増やした状態を継続させたいです。


よく噛むことで身体の負担が減り、身体に良い影響を与えるということを知り、びっくりした。これからは、ちゃんとよく噛んで食べもの本来の味を楽しみたいと思った。


私の姉は去年の12月に、子どもを産み、一児の母になりました。しかし、赤ちゃんは、母乳を飲んでくれず、結局、ほとんど粉ミルクで育ちました。今も、離乳食と粉ミルクで育っています。母乳相談室などに行って、姉は努力していましたが、その原因には食生活もあったのではないかと思いました。知っていそうで知らないことがたくさんあって、知らないことだらけの自分が怖くなりました。自分の体は自分だけのものじゃないと感じました。



玄米せんせいに再び感謝。