ドキッ！まさか・・・

先日の野の花見会でのこと．目的地が迫った道端に咲くノアザミの花に目をやると，阪神タイガースカラーの派手なハナバチが一生懸命花粉を集めていた．慌てて近寄ってみると不安は的中．セイヨウオオマルハナバチだ！ヨーロッパ産のマルハナバチで，トマトの交配作業の省力化を目的として導入されたハナバチだ．元岡地区にはトマト栽培農家が多い．
近年，このセイヨウオオマルハナバチが野外へ逸出し，我が国の送粉共生系（送分者と花の共生関係）に悪影響を与えるのではと懸念されている．今年６月に施行予定の「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律（外来生物法）」では特定外来生物（問題となっている外来生物）に指定されている．
セイヨウオオマルハナバチは，授粉に寄与せず蜜だけを盗む盗蜜行動を行うので，在来野生植物の繁殖力を低下させる可能性が考えられる．また，在来マルハナバチの巣を乗っ取ることや，在来種と交雑することも確認されている．
我々が守ろうとしている元岡の森でそのような事態が起こっては大変だ．早急に対策を考える必要がある．