人生の初めて

最近私が気に入っている言葉だ．ゴーシ舎長が時々使っているので，私にもすっかり馴染みの言葉になってしまった．
先週遠賀の水路で出会ったニッポンバラタナゴやカゼトゲタナゴは私の人生で初めてだった．水底も見えないほどの濁った水路に熱帯魚のような魚が棲んでいることに驚き，また，身近な自然のすばらしさを実感した．
昨日まで２日間，研究室で行った高校生のための農学部体験授業では，参加した高校生たちにＤＮＡを大量抽出して自分の眼で確認する実験をした．おそらくほとんどの参加者にとって初めての体験だったはずだ．鼻水のようなＤＮＡの束をガラス管の先でつり上げた時「わ〜っ！」という声が上がった．
今日，鹿児島の義父から３日のビアフェスタ用に送ってもらった，根茎葉付きの落花生を研究室の学生数人に見せたところ，「落花生が成っている様子を初めて見ました」と言った．
人生の初めては生きている間にどれくらい体験できるのだろう．
その気になれば，人生の初めてを毎日体験できるかもしれない．そうなれば，その人の人生はとても幸せだろう．
人生の初めてになかなか出会えないとすれば，それは，日頃の忙しさの中で，人生の初めてを求めようとする気持ちが弱くなっているのかもしれない．ひょっとしたら，人生の初めてがすぐ側にあるのに，それを見落としているのではないだろうか．
私の今日の人生の初めては，アオギリの実（写真）を見たこと．アオギリがサキシマスオウやカカオと同じ科であることを知ったこと．
明日の人生の初めては何だろう？