ハカタユリ講演会

mich_katz2005-10-28

昨日午後は,全国都市緑化福岡フェア(通称:花どんたく)で催された講演会を聴きに行った.講演会の内容は,我が研究室のボスO教授による「幻の花ハカタユリ:復活にかけた軌跡」.教授とは普段同じ職場で仕事をしているが,一般市民を相手に講演をする姿はあまりお目にかかれないとあって,私も含めた研究室の者が大勢会場へ押し掛けた.
午後3時,司会者から「九州大学・・・農芸学分野O教授」と所属を2回も間違って紹介され,学生が苦笑いしていた.(正しくは,「園芸学分野O教授」)紹介後,いつもと変わらない様子でステージに登場したO教授だったが,ステージ中央の画面に自分の顔がアップされていることに気が付くとやや戸惑った表情を見せた.私は講演の様子を写真に撮りながら講演を聴き入った.
講演は,ユリという植物の基礎的なお話から,今回のイベントに関するエピソード,ハカタユリの日本渡来に関する独自の見解と続き,最後は今後のハカタユリの普及に関する様々な計画で締めくくられた.その後は,聴衆からの質問を受ける時間がO教授自身の計らいによって設けられ,多数の質問が参加者から寄せられたが,これが面白かった.
ある人は「ハカタユリの花が放つ今までにない良い匂い」とはいかなるものか?と質問した.これに対してO教授が「何とも表現し難い」と答えると,質問者は「せめて私が生きている間にその匂いを嗅いでみたい」と訴え聴衆を笑わせた.別の人からは「昭和十数年頃に何処其処の山中で私が見たユリはいったい何だったのでしょう?」という難問(?)も飛び出し,O教授がその人が見たユリの様子について逆に尋ねるといった,禅問答のような事態も起った.こうした様子を私は,(O教授には申し訳ないが,)内心笑いながら傍観していた.
それにしてもこういう講演に参加される市民は勉強熱心である.質問会を終えてから,私が研究室のスタッフであることを知った市民数名からユリについての質問をいろいろと浴びせられた.質問者の手帳に講演内容や質問の答がびっしりと走り書きされているのを見て頭が下がる思いだった.突拍子もない質問を浴びせられたとしても,こんなに熱心に聴いてくれるのなら,話をする方もやる気が湧いてくるだろう.話をする方だけでなく,聴く方にも熱意があってこそ講義や実習の意味があると言える.我が大学の学生も見習って欲しいものだ.