集中力の養い方

前回,研究に集中する時間が最近少なくなったことを書いた.ではどうすれば,その問題を解決できるのか?その一つは,短時間でも物事に集中できる能力を身につけることだ.
私の場合,いくつかの物事を同時進行するのが人よりも苦手だった.そのため一つの事に取りかかっているときは,他の事がおろそかになりやすい.だから本当は,自分の世界に集中する時間をできるだけ多くとりたいのだが,最近の状況はそれを許さない.したがって物事を同時進行する高い能力を身につけなくてはならない.
そのためには,ある仕事から別の仕事に切り替えた時に,できるだけ短時間で新たな環境へ集中できる能力を身に付けるような自助努力をしている.その好例がこのブログの書き込みだ.
文章を書くことは話すことと違って難しい.文法的間違いや誤字がないように配慮しなければならないし,その一方では,話の流れ等,読み手にとって読みやすい文章となる配慮も必要だ.そのためには文章を書くための精神的な集中力が必要となる.ブログでは気分転換に記事を書いているという要素も含まれるかもしれないが,その一方で,短時間に第三者に読んでもらえる文章を作る技も必要となる.
最近,論文執筆等,仕事が忙しくてなかなかブログ記事を読んだり書いたりする余裕がない.が,それでもこうして短時間だけでも時間を割いてブログを書く努力を怠らないようにしており,それは短時間の精神集中として良いトレーニングになっている.
自分の身辺にいる仕事仲間には,複数の物事を同時進行できる人が多い.逆に言えば,そういう能力を持っているから「仕事ができる人」なのだろうが,私にはそれが神業に見えることも時々ある.彼らの中には,そのような能力を最初から持っていた人もいるだろうし,自助努力で身に付けた人もいるだろう.
学会の懇親会で,ある先生からこの話題に関する面白い話を聞かせて頂いた.その先生は,複数の仕事を同時進行するために3〜4台のパソコンを使っていると言う.それぞれのパソコンはいくつかの異なる仕事の専用としてあり,パソコンを起動した時に気持ちがすぐにその仕事環境へ入って行くようにしているらしい.誰にでも相応しい技ではないかもしれないが,仕事を能率よく進めるために,自らに適した仕事環境を作る工夫をされていることを知り,感心した.もちろんその先生は「仕事のできる」方である.
前回の日記では宮里藍の報道記事を引用したが,彼女ほどの優秀なスポーツ選手なら,短時間に精神的な集中力を高める方法をきっと身に付けているはずだ.そんなプロ選手の集中力を高める技も参考になるだろう.
以上,30分の執筆集中作業.これから別の仕事だ.