京都へ

京都の二つの大学における環境教育に関する先進事例の視察に来ている.今日は移動日のため比較的ゆっくりと過ごすことができ,仕事と風邪で衰弱していた身体を休める良い機会になった.
京都では,折しも日米首脳会談が開催されており,ブッシュ米大統領が講演が滞在した京都御所に隣接する迎賓館周辺は,たくさんの機動隊員が警備を行っており,物々しい雰囲気だった.今朝は金閣寺を訪問し,午後は京都会館で講演を行ったらしい.
その警備を横目に銀閣寺等,京都市の東側のエリアを少しばかり散策した.銀閣寺は金閣と違って地味だが,私の好きなお寺のひとつだ.銀沙灘(ぎんしゃだん)や向月台という砂礫で人工的に造られた枯山水のオブジェとモミジやツバキ,サザンカなどの赤や緑の植物がバランスよく配置されており,厳かな雰囲気のある庭園を持つ.しかしながら秋の京都は観光客の最も多い時期とあって,ゆっくりと写真を撮る余裕もないほど人で溢れかえっており,枯山水の醸し出す「侘び寂び」の世界をじっくりと堪能することは叶わなかった.
夕食を先斗町の居酒屋で済ませた後は,夜間拝観ができる青蓮院を訪れた.ここを訪れたのは二度目だ.お寺とは思えないほど派手な青色で庭園がライトアップされていた.この寺の住職はきっと新しいアイデアをなんでも試してみる人なのだろう.
散策コースの最後の方では孟宗竹林もライトアップされていた.我が大学の新しいキャンパスではノコギリでバリバリ切っているモウソウチクだが,庭園の素材として維持されているのは興味深い.ものすごい勢いで伸びるモウソウチクを適度な密度で管理するためにお寺の人たちはどんな管理をしているのだろう.
春は筍づくしの食生活をしたり,あるいは我々と同様,ノコでバリバリ切り倒したりするのだろうか?そんな姿を想像するとなんとなくおかしくなる.