大学の講義

本年度から助手改め助教となり,講義を持てるようになった.(「えっ?助手って講義持てなかったの?」と思う人もいるかもしれないが,そうなんです.)前期,主として1年生を対象にふたつの講義を何人かの先生と分担しながら担当している.そのうちひとつの講義を昨日終えた.


受講生およそ260名.


その人数を最初に担当主任の先生から聞いた時
「午後6時過ぎに終了する講義に,それほどの人数の学生がこの授業を受けようとする動機は何?」と気になる.同時に「難しいかもしれないが,できるだけ多くの人が,できるだけ退屈せずに,最後まで聞いてもらえるような工夫を試みる必要があるかもしれない」と思う.


先週の講義.
「連休明けだから受講生が減るかもしれない」との淡い期待を覆し,広い講義室に溢れる様々な学部の学生たち.


「つかみ」が重要.
そう思った私は,ふたつ用意したマイクのうちひとつを学生に渡し,
「今日の朝ご飯は?」
と質問.
不意を突かれた様子の学生は戸惑いつつも
「おにぎり」
と答える.
私「1個?」
学生「2個」
私「それ以外は?」
学生「食べてません」
私「そう,じゃあ後ろの人は?」
とマイクを廻しながら十数名に尋ねていく.


「この講義は教員から学生への一方通行ではありません」というメッセージを込めての質問攻め.その質問は講義内容と直接関係はないが,その後も講義の前半は,教員対学生,学生対学生の対話形式を崩さず進めた.


講義後半では,質問の解答や説明内容の反復をPCプレゼンテーションで行う.熱心な学生はプレゼンを見ながらまじめにノートをとっている.前半の対話で前振りをしたおかげかもしれない.それなりに興味を持って聞いてくれているように私は感じた.


「楽しかったです」
「今までで一番おもしろい生物の講義でした.」
「先生が生徒に聞いていく前半の授業形式は面白いと思った.」
など,数名の学生が出席カードのメモ欄に感想を書いてくれた.


そして昨日.


ゴーシ舎長からの依頼もあって,
Q1「大学に入って楽しいこと」
Q2「大学に入ってつまらないこと」
Q3「将来の夢」
Q4「この夏に是非挑戦してみたいと思うこと」
と最初に黒板に書き,出席カードのメモ欄に記入してもらう.


回答
Q1:「サークル活動・部活」多数
Q2:「講義」多数(私の講義ではないことを祈りたい)


これが現実である.教員の想いと学生の実感のギャップを大変感じた.


でも,私もそうだった.学部生時代,面白いと感じた講義は少なかった.サークル活動の方が面白かった.今の様に出席確認も厳しくなかったので,講義をさぼってサークル活動に明け暮れた.大学の講義は,昔も今も変わらないということか.


もちろん,講義や授業では,学生側の学ぼうとする姿勢が重要であることに変わりはない.だからと言って,教員側が何も工夫しないのはどうかと思う.私が大学生の親なら「子どもに是非とも受けさせたい教育や講義」をたくさん用意してくれる大学に行かせたい.子を持つ親となった今,そして講義ができる身分となった今,そういう期待に私は応えたい.


先に紹介した1回目の講義に対する感想に加え,Q1の回答として「この講義」とあげた人も数名いる.そういう反応を大切にしながら一歩ずつ前進するのみである.

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5/ 7 少人数ゼミ/市役所子ども課との懇談会
5/ 8 同級生の学位取得祝宴
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5/10 小学校PTA本部役員会
5/11 内田産婦人科訪問
5/12 少人数ゼミ野外実習in伊都キャンパス
5/13 学童保育保護者会新旧幹事会
5/14 少人数ゼミ,理系コア科目打ち合わせ
5/15 講義・理系コア科目(1回目)
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5/20 環境創造舎・伊都キャンパス保全活動,学童保育保護者会ミニ学習会,学童保育保護者会幹事会
5/21 少人数ゼミ
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