Hosta montana _ Campus Plants

オオバギボウシ / 大葉擬宝珠


Liliaceae / ユリ科
photo by mich.katz


「‘うるい’が実家から届いたんですけど,要りますか?」
「え?」
「うるいです」
「うるい?」
「ほら,ギボウシですよ.この前話した.」
「あ〜!あれ!!」


PTA役員で岩手出身のOさんからそう話しかけられ,頂いたオオバギボウシの若葉.PTA役員の間では,私は「植物おたく」ということになっており,そのおかげで珍しい野菜にこんなふうに巡り会う.


あく抜きの必要はないということだったので,深ネギを調理する要領で適当な大きさに切って,みそ汁に入れた.味よりも,独特のぬめりが口の中で自己主張する.なめこ汁を連想させるが,未体験の食感.全国の山菜の約半分を生産する東北地方ならではの珍品だ.


「潤い」転じて「うるい」と言う.煮付け,お浸し,てんぷら,浅漬けなど,様々な調理方法で食することができる.茹でて乾物したものは‘山かんぴょう’と言う保存食になる.


青森県三内丸山遺跡からは山菜として利用されるタラノキの種子が発見されている.熊撃ちの猟師として知られるマタギは,独自のしきたりを守りながら,山菜や茸など四季の折々の山の恵みを利用してきた.うるいは,稲作が難しかった地域の生きる知恵と伝統を感じる野菜である.

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