台湾百合 _ Campus Life
3日目は台湾ユリの調査へ.
国家公園管理局のCさんの案内で,西に台湾海峡,南にバシー海峡,東に太平洋を望む台湾南端の墾丁森林遊楽区に入山する.李登輝総統も登ったと言う,隆起石灰岩(珊瑚礁岩)の見晴らし台に案内された.その岩上にユリが育つと言う.
確かに岩上にユリが根付いていた.隆起石灰岩上のユリと言えばテッポウユリのはず.しかし,石灰岩の上にそだつそのユリは,まだ抽だい途中で,蕾をつけたばかりだった.花期はこれかららしい.葉もテッポウユリよりずっと細い.外花被片には赤い筋が入ると言う.そんな形態や開花習性はまさしくタカサゴユリだ.かつては,海岸線から山林にかけて散在する隆起石灰岩上にたくさんみられたと,現地に40年以上過ごす男性が語ってくれた.石灰岩土壌に適応しているタカサゴユリか? いずれにしてもテッポウユリからタカサゴユリへの進化を探る上で貴重な材料であることには間違いない.
久しぶりのフィールド調査で,久しぶりのわくわくする出来事だった.