河童 de 泣 _ My Life
半年ほど前から楽しみにしていた映画が，先日，封切りになった．
ゲゲゲの鬼太郎世代だからかもしれないが，なぜか，私は“河童”とか“座敷童（ざしきわらし）”とか聞くとわくわくする．
そこで旅行２日目は早起きし，久しぶりに家族で映画鑑賞をすることにした．映画は福岡でも見れる．しかし，非日常的な生活を楽しむのが旅行なら，いつもと違う場所で映画を見るのもまた良い．旅館の朝ご飯を早めに済ませ，大分市のトキワわさだタウン内にあるシネフレックス東宝へ向かう．
夏休みの映画館は朝から子ども連れ家族で賑わっていた．親子４人分のチケット代5,600円．果たして，これは高いのか安いのか………．
安かった．そう思えるくらいほんとうに良い映画だった．ストーリーの中盤から最後にかけて，私はもう涙ウルウル状態だった．それくらい感動した．
さらに感動的だったのは，同じ列に座っていた小学生くらいの男の子が鼻をすすりながら泣いていたこと．きっと主人公の康一に感情移入したのだろう．小学生男児を泣かすなんて……．河童，恐るべし！
- どうしよう．この映画のすばらしさを言葉にすればするほど，この映画の素晴らしさが遠のいていくではないか．
どうしよう．言葉にできない素晴らしさを伝える言葉なんてこの世にある訳がないじゃないか．
どうしよう．あとはもう観て貰うしか方法がないじゃないか．……樋口真嗣
- 是非みんなに見てほしい，ヒットして欲しい傑作だと思います．……高畑勲
- 見終わって，妙なことを思う．われわれは神が不在の世界に住んでいるのだなあ，と．だからせめて河童なのである．……養老孟司
ほんとう．私も是非いろんな人に見て欲しいと思う．クゥがトトロと同じくらい愛される予感がする．
ところで，映画館の入口付近でたくさんの小学生の連れの家族を見かけた．その小学生たちのほとんどは，ポータブルゲーム機を持っているではないか．ある家族は，全員でゲーム機に向かって何やら必死に準備している．なぜ，映画館にまでゲーム機を？
私は知らなかったが，うちのカミさんによれば，別の部屋で上映されていたポケモン映画では，会場に持ち込んだゲーム機に向けて何らかのシグナルが発せられるので，それを受信するためだそうだ．後で調べたら，“幻のポケモン”とやらを映画を見た人だけが“ゲット”できるのだと言う．
まったく…‥．ありえない……．映画を見るのか，ゲームをするのか，せめてどちらかにして欲しい．
ゲーム機が必要な怪獣漫画よりも，河童の出る妖怪漫画の方が比べ物にならないくらい得るものがあると思ったのは私だけか……．
