はだしのゲンと平和教育 _ My Life

mich_katz2007-08-15



「8月6日は何の日か知っていますか?」
「え〜っ? わかりませ〜んっ。」


たまたま見ていたニュース番組の街頭インタビューでの女子高生らしき若者たちの反応。


全米で話題の、日系三世のスティーブン・オカザキ監督によるドキュメント映画「ヒロシマナガサキ」の紹介に関連して、そんな街頭インタビューが行われていた。


毎年、広島・長崎の原爆投下の日から終戦の日と続く8月上旬になると、戦争に関する番組やドラマがテレビで紹介・放映される。


私は、8月10日と11日に二晩連続で放映された“はだしのゲン”を見た。


原作は、被爆者であり漫画家である中沢啓次による同タイトルの漫画。小学生の頃、母が買い与えてくれたこの漫画のリアリスティックな描写を通して、私は戦争や原爆の真の怖さを知った気がする。小学生には多少刺激の強い描写もあるが、数々の不幸に遭遇しながら、それでもたくましく生きるゲンがどうなるのかを知りたくて、真剣に漫画を読んだ。


テレビ番組の出来もたいへん良く、原作にある重要なメッセージがたいへん忠実に描写されていた。父親役の中井貴一、ゲン役の小林廉など、俳優のキャスティングもたいへん良かった。そのおかげで涙でボロボロになりながら、番組を見た。


戦争と平和、家族の絆、いじめ、生と死……。


普段、あまりにも当たり前すぎて振り返る機会がないものを、この番組を通じて改めて考えた人も多かったのではないだろうか。番組に対するメッセージ欄(http://wwwz.fujitv.co.jp/gen/message.html)に、私と同じくらいの世代や10〜20代の若い世代からのコメントが多いのが印象的だ。

  • 私と同世代のほとんどがこの漫画の事は知っているはずで、小学生のころ図書館にあるこの漫画をよく読んでいました。今回のドラマ化には以前から大変興味を持っていて、見る前は、「原爆のシーン」、その後の「事実」がいかに再現されるのかに注目していました。しかし、前編を見ているうちに、子供のころには感じなかった「家族愛」に心を打たれ、涙が止まりませんでした。(30代男性会社員)
  • 原爆のことは、絶対に忘れてはならないと思います。逆に私たち日本人が忘れていたら恥ずかしいと思います。(30代主婦)
  • 6歳の娘が、番宣からずっと見たいと言っていて、放送直前疲れて眠っていたのですが急に起きてきて義母と一緒に2時間見続けました。(2夜とも)放送が終わって、翌日になってもとても印象に残ったのでしょう。作品中で元とシンジが歌っていた歌を口ずさんで、戦争はいけんなぁ〜など言っていました。毎日ダビングしたDVDを見ては、真剣な眼差しで見いっています。お盆の帰省で来られた親戚の人達にも、作品の話をずっとしていました。娘にとっては衝撃的な作品だったのだと思います。(30代主婦)
  • 私は広島生まれの広島育ちです。広島にいながら原爆のことを深く考えた事はありませんでした。このドラマをみてもっと平和について考えないといけないなっと思いました。祖母も母も原爆手帳を持っています。身近に原爆の体験をした人がいるならもっと話を聞いていきたいと思います。私の役目は自分の世代だけじゃなく次の世代にも原爆、戦争の恐ろしさを伝えていかないといけないと思いました。広島人に生まれたからこそ平和を伝えないと。(20代女性会社員)
  • 私はかなり無感動な人間ですがこの「はだしのゲン」では大泣きしました。涙が出たのはあくびの時以外には思い出せないくらい泣いていませんでした。(20代男性会社員)
  • ただただありがとう。普段涙することの無い私が、涙を抑えることが出来ませんでした。(20代自由業男性)
  • 今までは「昔、日本に戦争があった」「原子爆弾が広島と長崎に落とされた」という一つの歴史を頭には入れていながらもどこか他人事のように受け流していた。けれどこの作品を見て、決して、この限りなく理不尽でこれほど悲惨な一種の凶悪事件を日本の昔の出来事という簡粗な片付けかたでいいのだろうかと強く思った。(10代男子高校生)
  • 自分は、後編のみ拝見させていただきました。しかし、これだけ心打たれた作品は初めてです。今の時代に大切にしなくちゃいけないテーマだなぁ・・・と、考えさせられました。何不自由ない生活できているのを当たり前と思っちゃいけないんだと思いました。今、3食ちゃんと食べられているということは、とても幸せなことであり感謝しなければいけないんだと思います。(10代男子高校生)
  • 2年前、父と2人で広島へ訪れた際に購入し、読んだ「はだしのゲン」には、当たり前のように食糧がある今を生きている僕たちには、考えられないようなことばかりが描かれていて、「本当にこんなことがあったのかな」と、信じられませんでした。しかし、これを読んでからは「戦争と平和」について、「自ら考えなければいけない」と思いました。(10代男子中学生)
  • 涙、涙で見てました。これは本当に良かったです。みなさま方の演技すごく迫力ありました。家族の大切さ、命の大切さが十分伝わってきました。(10代女子中学生)
  • はだしのゲンを見ていてゲンはしんじ達が原爆で亡くなったとき悔しくて悲しくて泣いていたけどゲンはしんじたちのぶんまでしっかりいきていたことに凄く感動しました。(10代女子中学生)
  • はだしのゲンは私が観てきたドラマの中で一番泣きました私は生まれた時から食べ物に困らず言いたい事を言えて何不自由なく生活してきました。私にとってはそれが当たり前でした。でもゲンたちにとってはそんな当たり前の事さえ許してもらえなかったなんて本当に戦争は酷い事だと思いました。(10代女子中学生)
  • ドラマでこんなに泣いたのは初めてです。戦争は本当にやってはいけないものなんだな、と強く思いました。バスタオルがすごいビショビショになりました。(10代女子小学生)


私が小学生の頃、8月6日に“登校日”と称して学校へ行った。平和授業を受けるために。その日が広島に原爆が落とされた日であることを教えられて私たちは育った。


その登校日さえない現代。“はだしのゲン”は私たち日本人が後世に語り継がなければならない貴重な平和教育の教材ではないだろうか。

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